岩国市では、地域包括ケアシステムの構築に向けて、住民のみなさんが主体となって「生活支援」を重視しながらささえ合い活動ができる地域づくりに取り組むため、平成30年4月から生活支援体制整備事業を始めています。
令和2年度生活支援体制整備事業報告書~地域が元気になるための活動報告~ (PDFファイル)(3.4MB)
岩国市では、地域包括ケアシステムの構築に向けて、自助・互助の推進を目的に、住民の皆さんが主体となって「生活支援」を重視しながら、ささえ合い活動ができる地域づくりに取り組んでいます。
地域包括ケアとは、医療や介護が必要な状態になっても、可能な限り、住み慣れた地域で自立して暮らし続けていくことができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保されるという考え方です。
これを実現するためには、「自助・互助・公助・共助」が連携して機能するように、地域包括ケア体制を深化・推進させることが重要となります。
そこで、岩国市では高齢者の生活支援体制の充実、強化を図るとともに、高齢者の社会参加を促進し、高齢者が共にささえ合い介護予防に向けた地域づくりを推進することを目的として、平成30年度から社会福祉法人岩国市社会福祉協議会に生活支援体制整備事業を委託し、生活支援体制の整備に取り組み始めました。
介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らし続けていくためには、住民の皆さんを主体とした地域におけるささえ合い、つまり「互助」が必要になってきます。生活支援体制整備事業は、岩国市における地域包括ケアシステムの自助・互助の取り組みを進めていくものですが、同時に地域のささえ合いやつながりをつくる「地域づくり」にもつながっています。
岩国市では、第1層と第2層の二つの協議体を設置して生活支援体制整備事業を行っています。
第1層協議体では、地域包括ケアの推進をするため、地域での生活支援について関係団体や市の関係課で意見交換を行っています。
第2層協議体では、地区社協または自治会連合会単位で協議体を設置し、生活支援に関する話し合いを行っています。
この協議体が、地域の皆さんの身近な話し合いの場となるよう、「ご近所ささえ合い会議」と名づけて、課題解決に向けた事業を進めています。
地域住民がメンバーとなり、今やっていることやできることなどをみんなで話し合う場です。
地域の情報を共有し、将来に向けて「自分たちのまちをどのような地域にしたいか」などを話し合い、その地域ならではのささえ合いを考えます。
引用:社会福祉法人岩国市社会福祉協議会ホームページ http://iwasha.jp/pdf/seikatushien.pdf<外部リンク>
生活支援コーディネーターとは、地域の皆さんが主体となって行う助け合いの仕組みづくりをコーディネートし、生活支援サービスの把握や、地域資源の整理・開発を行う推進役です。
現在、岩国市では生活支援コーディネーターを5つの圏域に1人ずつ配置し、高齢者が住み慣れた地域で生きがいと希望を持ちながら暮らし続けていくためのささえ合いの仕組みづくりを、地域の皆さんと一緒に行っています。
令和2年度は、新たに1地区が協議体を設置し、現在は市内27地区において展開されています。
協議体では、地域での困りごとなどについて話し合いをしています。
自分たちの地区にはどんな資源があるか、見守りが必要な人が近所にいるがどうしたらいいか、買い物やごみ出しに苦労している人の手助けができないかなど、まずは定期的な地域情報の共有を行うため、地域の皆さんで話し合いを行います。
その後、地域資源の整理を行い、まとめた情報をうまく活用して課題解決に向けた助け合いの仕組みを作っていきます。
令和2年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、様々なイベントや活動が中止されました。
ご近所ささえ合い会議についても、従来と同じように行うことが難しく、開催を見送る地区もありましたが、感染対策に留意しながら自分たちでできることを考え実践した地域の取り組みについて紹介します。
協議体構成員 |
延べ開催回数 | 延べ参加人数 |
---|---|---|
東地区社会福祉協議会、自治会、民生委員、商工会、岩国市社会福祉 協議会岩国支部、高齢者生きがいボランティアグループ、ボランティア団体 |
2回 | 13人 |
東地区では、頼みやすい関係づくりを築き、困った時に「助けて」と言える地域をつくるための活動をしています。
高齢者生きがいボランティアグループを設置
高齢者の在宅生活を支える仕組みを創出するため、地域全体を4つのグループに分け、高齢者生きがいボランティアグループを設置。活動に向けて、人材募集・ルール化・ニーズ把握などを協議しました。
資源マップの発行に向けて
生活支援から災害、相談の場面まで困った時に役立つ情報誌「資源マップ」の発行に向けて協議をしました。
地域の皆さんに活動内容を周知
東地区社協だよりに「ご近所ささえ合い会議」の進捗状況を掲載し、地域全体に発信しました。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
愛宕地区社会福祉協議会、自治会、福祉員、老人クラブ、 岩国市社会福祉協議会岩国支部、地域包括支援センター、 企業、ふれあい・いきいきサロン、通いの場 |
1回 | 9人 |
愛宕地区では、「あなたの困りごとについてのアンケート」を行い、調査結果から見えてきた「買い物弱者」という課題解決に向けて、移動販売車の誘致を行いました。
まずは地域の困りごとを知る
地域住民が抱えている困りごとが何か、まずは課題を“見える化”することから始めました。アンケート調査を実施した結果、近くにスーパー等がなく「買い物」に困っている人が多いことが分かりました。
移動販売車の誘致に向けて
そこで、移動販売車を誘致するため情報収集や見学を行い、販売拠点などの調整を進めました。移動販売の維持は住民の利用継続がポイントとなるため、知ってもらうことが重要となります。ふれあい・いきいきサロンや通いの場、老人クラブなどに協力をいただき、福祉員から情報を伝えてもらったり、自治会長協力のもとチラシを作成して回覧板などで周知を行いました。
↑準備会議を含めメンバーは複数回集まり、移動販売車を誘致する拠点、時間帯、周知方法など、何度も話し合いを重ねました。
移動販売がコミュニケーションの場に
愛宕地区社会福祉協議会や自治会長なども販売拠点に出向き、高齢者の様子や声を直接見聞きし、成果を実感しています。
近所の高齢者を誘って一緒に買い物に来たりなど、移動販売が地域のコミュニケーションの場となっています。
↑歩いて買いに来てご近所さんとちょっと立ち話をする。移動販売がコロナ禍で孤立しがちだった高齢者の集いの場となり、一人暮らしの高齢者の見守り活動にもつながっています。
「愛宕地区社協NEWS」に情報掲載
移動販売車導入について、第424号「愛宕地区社協NEWS」に掲載し、令和3年3月19日に発行。地域全体に回覧や掲示を行い、愛宕地区社会福祉協議会ホームページにも掲載しました。
令和2年度に設置した移動販売の拠点
令和2年12月9日 錦南自治会
令和3年3月16日 門前道の上自治会、牛野谷南第2自治会
令和3年3月19日 百合ヶ丘自治会
この他にも、拠点を増やしていきます。
協議体構成員 |
延べ開催回数 | 延べ参加人数 |
---|---|---|
師木野地区社会福祉協議会、自治会、民生委員、岩国市社会福祉協議会 岩国支部、高齢者生きがいボランティアグループ、地域包括支援センター |
2回 | 19人 |
効果・検証
令和元年度に地域に配布した「生活便利帳」の効果について確認しました。
令和3年度に向けて「ご近所ささえ合い会議」の活動テーマを検討
ご近所ささえ合い会議の活動テーマを検討するため、他地区のご近所ささえ合い会議の活動状況の情報を共有しました。その結果、活動テーマとして「生活便利帳」の更新・配布や、高齢者活き行きサポート事業(タクシー料金助成事業)、高齢者割り引き等の周知をしっかり行い、活用を促すことが候補として挙げられました。
地域で介護予防に取り組むために
フレイルや介護予防について、地域包括支援センターから説明をしてもらい、地域でどのように介護予防に取り組んでいくかを検討しました。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
北河内地区社会福祉協議会、自治会、民生委員、福祉員、岩国市社会福祉 協議会岩国支部、高齢者生きがいボランティアグループ |
1回 | 15人 |
令和3年度に向けて動き出します
令和3年度に向けてご近所ささえ合い会議の活動テーマを選定。「生活支援お助け手帳」(資源マップ)の更新及び配布を行うこととしました。併せて、令和3年度に向けてご近所ささえ合い会議の活動スケジュールも検討し、生活支援お助け手帳を8月の敬老会で配布できるよう計画を進めていくことにしました。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
灘地区社会福祉協議会、自治会、民生委員、福祉員、岩国市社会福祉協議 会岩国支部、高齢者生きがいボランティアグループ、地域包括支援センター |
7回 | 70人 |
灘地区社会福祉協議会のメンバーで「元気なまちだ生活便利帳」(資源マップ)を作成し、65歳以上の一人暮らし世帯と、75歳以上の二人暮らし世帯へ配布しました。
一つひとつ心を込めて
資源マップを届けたい地域の対象者は、地域のことをよく知っている民生委員と福祉員で抽出し、活用してもらえるよう手渡しで配布を行いました。
↑印刷ページは延べ19,200ページ。みんなで一つずつ手作業で作成した資源マップは、それを必要とする方のもとへ繋がっていきます。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
通津地区社会福祉協議会、自治会、民生委員、福祉員、NPO法人、 老人クラブ、岩国市社会福祉協議会岩国支部、地域包括支援センター |
5回 | 61人 |
“地域の声を聞き、ご近所ささえ合い会議で情報交換し、自分たちの活動の場で地域住民と共有する”。通津地区では、このサイクルを何度も繰り返しながら、高齢者がより暮らしやすい街になるようにと、話し合いが続いています。
「困りごとがない地域はない」
まずは自分たちの街のどこに、どんな困りごとがあるのか、地図上にマーキングして、困りごとの“見える化”を行いました。地域包括支援センターの職員やケアマネジャーなどから地域の困りごとを情報収集した結果、ごみ出しや移動に困っている人が多いことが分かりました。
高齢者生きがいボランティアグループの必要性
「ごみ出し支援」と「移動支援」については、地域みんなでささえ合う方法が必要であるため、高齢者生きがいボランティアグループの必要性について検討しました。実際に高齢者生きがいボランティアグループで活動している人からは、「困っている人に寄り添い、困りごとを聞き出すことが大事。でも、できることは奪わないことも大切。」という声がありました。
↑地域の声を聞き、ささえ合い会議で情報共有をしていくと、地域は違っても大まかな困りごとは大体同じであることが分かってきました。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
民生委員、福祉員、居宅介護支援事業所、岩国市社会福祉協議会 由宇支部、高齢者生きがいボランティアグループ、地域包括支援セン ター |
19回 | 189人 |
「“わが家で暮らす”を支えあえる神東(まち)に」。この言葉を地域ビジョンに、神東地域では一人ひとりがこのまちで暮らし続けていけるよう、地域で何がサポートできるかを話し合っています。
“わが家で暮らす”を支えあえる神東(まち)に (PDFファイル)(746KB)
一人ひとりの想いを知り、受け止める
地域がサポートできることを個別にプランニングするため、民生委員、福祉員、ボランティアが3チームに分かれて対象者のお宅を個別訪問し、現在の生活実態や困りごと、これからどう暮らしていきたいかを聞き取りしました。
↑同じ地域に住む住民同士、おしゃべりをするような和やかな雰囲気の中で訪問調査が行われました。
防災は平時のささえ合いから
いざという時のために、平常時のささえ合いを防災活動につなげることまで見据えています。個別訪問調査では、対象者と一緒に「災害避難カード」を作成し、災害が起こる前に誰が声かけをするのか、いま住んでいる場所にはどんな災害が起こる可能性があるのかなども話し合っています。
見えてきた課題はそのままにしない
支援が必要な人には、高齢者生きがいボランティアグループや関係機関につなぎ、いくつかの困りごとを解決に導きました。この個別訪問調査で困りごとを把握したことをきっかけに、新たに高齢者生きがいボランティアグループが立ち上がったところもあります。
↑1年をかけて「準備→調査→計画→支援→評価」というフローを進めてきた神東地域では、今後もこの一連の動きを繰り返しながら、“支えあえる神東(まち)”になるよう地域づくりを進めていきます。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
民生委員、福祉員、高齢者関連施設、岩国市社会福祉協議会 由宇支部、高齢者生きがいボランティアグループ、自主防災 組織、ボランティア団体、企業、地域コミュニティ組織 |
9回 | 82人 |
由西地区では、地域住民が“いま”何に困っているのか、そして“これから”どんなことなら協力できるかなど、一人ひとりの想いを知ることから始めようと、由西地区の高校生以上全住民を対象に、「由西地区全住民アンケート調査」を行いました。
アンケートの結果から見えてきたものをカタチに
アンケートの調査結果をもとに、地域が求める困りごとの解決策になるよう、ボランティアから企業まで由西地区の情報を丸ごと詰め込んだ情報誌「生活おたすけ便利帳」を作成することになりました。
↑「分かりやすいように、お店の写真や由西地区にゆかりのある写真を掲載しよう」。話し合いの会議では様々なアイディアが飛び交いました。
便利帳の作成だけでは終わらない
自分でサービスを見つけたいときに、あるいは困った人にサービスを紹介したいときに。この便利帳を活用して地域全員でささえ合いができるよう、完成した便利帳は由西地区の全戸へ配布しました。
またアンケートの結果から、高齢者の日常生活支援の必要性が見えてきたことから、地域でささえ合いができる街になるよう、現在は高齢者生きがいボランティアグループを増やすための計画を行っています。
↑便利帳への掲載をきっかけに、新たに配達サービスを始めた事業者も生まれました。由西地区のチカラが集まった集大成です。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
自治会、民生委員、福祉員、高齢者関連施設、商工会、岩国市社会福祉 協議会由宇支部、シルバー人材センター、高齢者生きがいボランティア グループ、自主防災組織、ボランティア団体、地域包括支援センター |
11回 | 98人 |
配達ができるお店や往診してくれる病院、地域住民憩いの場のサロンや生活をサポートしてくれるボランティアグループなど、由東地区の日常生活の困りごとに役立つ情報誌「日常生活こまった時の便利帳」を作成しました。
配布方法の工夫と効果
完成した便利帳は、民生委員、福祉員協力のもと、由東地区在住の65歳以上の一人暮らし、75歳以上の夫婦二人暮らしの世帯に手渡しで配布しました。受け取った方からは、「こういうのが欲しかった。」「あの人にも渡したいからもう一冊!」という嬉しい声も。また民生委員からは、手渡しで配布したことが地域の皆さんとの関係構築の良いきっかけになった、という意見もありました。
↑情報が新しくなっても差し替え可能なファイリング形式にする工夫もしました。
次に向かう先は・・・
便利帳を配布し終えて、次に由東地区が向かった先は「認知症対策」。令和7年には65歳以上の5人に1人が認知症になるとも言われており、認知症になっても住み慣れた地域で暮らし続けていくためには、地域のささえ合いが必要です。認知症について地域でできることは何か、話し合いを続けています。
↑住み慣れた地域で認知症と共に生きるために、地域は何ができるだろうか。ご近所ささえ合い会議で話し合いを続けています。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
自治会、民生委員、福祉員、人材バンク登録者、老人クラブ、岩国市社会 福祉協議会玖珂支部、岩国市玖珂支所、ボランティア団体、婦人会、 食生活改善推進協議会、更生保護女性会、地域包括支援センター |
2回 | 29人 |
玖珂地区では、令和元年度に作成した資源マップ「くがまちお役立ちガイド」の内容を更新するため、ご近所ささえ合い会議のメンバーで資源マップ作成チームを作りました。
完成した資源マップは、民生委員や福祉員、岩国お助けネット人材バンク登録者、ふれあい・いきいきサロンの代表者など、高齢者の困りごとを聞く機会が多い方へ配布し、近所で困りごとのある高齢者の方へ情報提供をしていただくようにしました。
また、玖珂支所の福祉窓口や包括支援センターでも活用してもらうよう、配布をしました。
信頼できる情報は地域の人が一番よく知っている
「高齢者が住み慣れた自宅で暮らし続けるためには、どんな情報が必要だろう?」。ご近所ささえ合い会議のメンバーで話し合いを重ね、配食サービスや草刈りをしてくれる事業所、地域の交流の場など、困ったときに役立つ情報を集めた一冊を作成しました。「信頼できる情報が一番!」ということで、掲載する情報は、地域のことをよく知る地域住民から直接集めました。
高齢者のちょっとした困りごとは地域のささえ合いでも解決できます
資源マップには、いまあるサービスを掲載するだけでなく、簡単な生活支援を行うボランティアグループの募集も掲載しました。
地区名 |
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|---|
中央地区 |
周東中央地区社会福祉協議会、自治会、老人ク ラブ、岩国市社会福祉協議会周東支部、婦人会 |
1回 | 21人 |
南地区 |
南地区社会福祉協議会、自治会、福祉員、岩国 市社会福祉協議会周東支部 |
2回 | 21人 |
中田地区 |
中田地区社会福祉協議会、自治会、民生委員、 岩国市社会福祉協議会周東支部 |
1回 |
11人 |
祖生地区 |
祖生地区社会福祉協議会、民生委員、岩国市社 会福祉協議会周東支部 |
1回 | 19人 |
米川地区 |
米川地区社会福祉協議会、自治会、岩国市社会 福祉協議会周東支部 |
1回 | 6人 |
川越地区 |
川越地区社会福祉協議会、自治会、民生委員、 老人クラブ、岩国市社会福祉協議会周東支部、 公民館教室、子ども育成会、体育文化振興会 |
4回 | 31人 |
周東町では、各自治会単位程度で出来る生活支援の方法について検討し、高齢になっても自宅や地域で長く安心して暮らすため、サポートとなるサービスや事業について地域の皆さんから情報を集めた資源マップ「周東町お役立ちガイド」を作成しました。
完成した資源マップは、民生委員や福祉員、岩国お助けネット人材バンク登録者、ふれあい・いきいきサロンの代表者など、高齢者の困りごとを聞く機会が多い方へ配布し、近所で困りごとのある高齢者の方へ情報提供していただくようにしました。
また、周東総合支所の福祉窓口や包括支援センターでも活用してもらうよう、配布をしました。
情報提供カードを活用した情報収集
お役立ちガイドに今後掲載したらいいと思う情報は、地域のことをよく知る住民の皆さんから提供してもらおうということになり、「情報提供カード」を活用した情報収集を行うことにしました。この情報提供カードは、お役立ちガイドの中に入れて配布をしています。
高齢者生きがいボランティアグループを立ち上げました
中田地区では「高齢者のちょっとした困りごとを解決するささえ合いができないだろうか?」ということで、高齢者の簡単な生活支援を行うボランティアグループを立ち上げました。高齢者のお宅を訪問して話し相手となったり、買い物や通院の送迎などを行ったりしています。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
美川地区社会福祉協議会、自治会(自治会連合会)、民生委員、福祉員、 人材バンク登録者、高齢者関連施設、商工会、老人クラブ、岩国市社会 福祉協議会美川支部、岩国市美川支所、高齢者生きがいボランティア グループ、ボランティア団体、婦人会、食生活改善推進協議会、地域包括 支援センター、人材センター |
2回 | 40人 |
美川地区では、高齢者のための生活支援帳を作成しました。
配布方法
完成した生活支援帳は広報紙の配布にあわせて全戸配布をしました。あわせて民生委員に対しても、地域住民からの生活支援にかかわる相談時などに活用してもらうよう依頼をしました。
↑生活支援帳には民生委員や福祉員の連絡先を記入する欄を設け、困ったときにすぐ相談できるよう工夫をしています。
きめ細かな情報を掲載
灯油の配達や電球の取り替え作業など、ただ購入するだけでなく、そのついでにちょっとした手助けもしてくれるお店の情報があると便利です。
みかわまちご近所ささえ合い会議では、そうした民間サービスの情報や、困ったときの相談窓口、高齢者生きがいボランティアグループの紹介など、美川町で暮らし続けるために本当に必要となる情報は何かをメンバーで話し合い、この生活支援帳を作成しました。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
自治会、民生委員、高齢者関連施設、診療所、商工会、老人クラブ、岩国市社会 福祉協議会本郷支部、岩国市本郷支所、自主防災、婦人会、更生保護女性会、 地域包括支援センター、駐在所、子ども会、グラウンドゴルフ協会、文化協会、 地域活動団体 |
1回 | 18人 |
本郷地区では高齢者のための生活支援情報をまとめた生活支援帳を作成しました。協議体委員が「登録カード」を使って、掲載する情報を収集し、店舗等への掲載確認依頼も行いました。
配布方法
完成した生活支援帳は広報紙の配布にあわせて全戸配布をしましたが、気になる高齢者には福祉員を通じてこの生活支援帳を手渡してもらい、困ったときの相談等で活用してもらうようお願いをしました。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
自治会、民生委員、福祉員、高齢者関連施設、病院、商工会、岩国市社会 福祉協議会美和支部、岩国市美和総合支所、シルバー人材センター、 ボランティア団体、地域包括支援センター、ふれあい・いきいきサロン |
1回 | 17人 |
コロナ禍で協議体メンバーが頻繁に集まることが難しい中、美和町ではメールなどを活用し、生活お助け帳の作成にむけた内容の確認作業を行いました。
配布方法
完成した生活お助け帳は協議体メンバーで配布を行いました。自治会総会や給食サービス利用者などに配布したほか、福祉施設へ設置してデイサービス利用者の手に渡るようにしたり、美和総合支所の市民窓口に設置して介護保険申請の際に配布してもらいました。
活用の広がりと利用者の傾向
自治会総会で各会長に配布したり、美和総合支所発行の「美和地域だより」で紹介をしてもらったことから、当初の配布先以外からも「この生活お助け帳を活用したい」という声がありました。
追加で希望された方には印刷代実費分を負担していただき配布をしていますが、その傾向をみると高齢者の皆さんだけでなく、そのご家族がこの生活お助け帳を活用されていることが分かりました。
↑離れて暮らす家族が活用できるよう、生活お助け帳には「もしもの時の対策」などの情報も掲載しています。
協議体構成員 |
延べ開催回数 |
延べ参加人数 |
---|---|---|
錦地区社会福祉協議会、自治会、民生委員、福祉員、老人クラブ、岩国市 社会福祉協議会錦支部、岩国市錦総合支所、シルバー人材センター、高齢者 生きがいボランティアグループ |
1回 | 11人 |
錦町では、高齢者のための生活支援情報をまとめた生活支援帳を作成しました。
わたしたちの“にしき”が、いつまでも明るく魅力あるまちであるために…
錦町では、これまでも地域団体や関係機関と連携するだけでなく、地域住民の“互助”による助け合いでコミュニティを形成してきました。しかし、高齢化率が60%弱に達しており、高齢者の皆さんが住み慣れた錦町で暮らしていくためには、困ったときに助けてもらえるサービス資源の情報が必要となります。作成した資源マップには、地域の憩いの場やサロン、困ったときに相談できる「にしき安心サポートチームメンバー」の連絡先など、高齢者の皆さんが錦町で暮らしていくときに必要となる情報が一つにまとまっています。
↑錦地区ご近所ささえ合い会議では、地域力向上を目指し、今後も拠点づくりの創出を展開していきます。
新型コロナウイルス感染症により、私たちの生活様式が変わって1年以上が経過しました。感染拡大防止のため、「集うこと」への制限が生じ、地域活動も抑制された1年でした。
高齢者の集いの場であったサロンや通いの場なども休止を余儀なくされ、社会的なコミュニケーションの場が減ったことで、認知症やフレイルが進んでしまうことも懸念されています。
しかし、このコロナ禍を経験し、人とのつながり、地域とのつながりの重要性を再確認した協議体では、地域のコミュニケーションを絶やさないよう、新型コロナウイルスの感染拡大防止に留意しながらできることを工夫して行っている姿が見られました。
メールやSNSなどのツールを活用し、直接会わずに意思疎通を図って資源マップの作成作業などを進めた地域もあれば、大人数で集まらずに少人数でささえ合い活動を続けた地域もありました。
また、活動を休止せざるを得なかった協議体でも、地域でのささえ合いの必要性を感じ、いつでも活動再開できるように準備を進めた姿が見られました。
生活支援体制整備事業は、岩国市における地域包括ケアシステムの「自助」「互助」を推進していくものであると同時に、地域づくりを進めていくものでもあります。地域の皆さんが、いま自分たちの地域が必要としているニーズは何かを考え、多様な形を取りながら、ささえ合い活動を行っています。
この動きを絶やさぬよう、岩国市は今後も、生活支援コーディネーターや関係機関、そして地域の皆様と議論をしながら、この生活支援体制整備事業を共に進めてまいります。
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