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令和5年度 施政方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年2月21日更新

はじめに

令和5年度の当初予算をはじめ、諸議案の審議に先立ち、施政方針について申し上げます。
この1年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症や燃料・食料品等の価格高騰への対応として、子育て世帯への給付金や自治体マイナポイントの付与といった生活支援策のほか、幅広い業種の事業者への支援などに取り組んでまいりました。
一方、昨年12月13日には、岩国錦帯橋空港が開港10周年を迎えましたが、この間、企業誘致や観光誘客などにより、大きな経済波及効果を生み出しており、今後の更なる利活用が期待されているところです。
さて、令和5年度は、今後10年間を計画期間とする第3次岩国市総合計画に掲げた施策を展開していくスタートの年となります。
第2次総合計画期間中も、「高齢者活き行きサポート事業」の実施のほか、「サンライズクリーンセンター」や「愛宕山ふくろう公園」、「英語交流センターPLAT ABC」の整備など、それぞれの分野において、様々な施策を実現してまいりました。
今後も新たな総合計画に基づき、市民の皆様とともに、これまでのまちづくりの流れを止めることなく、しっかりと取り組んでまいります。​

まちづくりの将来像を実現するための7つの基本目標

まず、第3次岩国市総合計画に掲げる7つの基本目標について、主な取組を申し上げます。

市民一人一人がいきいきと暮らせるまち(健康・福祉)

一つ目は、「市民一人一人がいきいきと暮らせるまち」です。

子育て支援の充実

子育て支援につきましては、妊娠期から出産、子育てまでを一貫して、身近で相談に応じ、様々なニーズに即した必要な支援につなぐことを目的として、伴走型の相談支援を充実させるとともに、経済的支援を相談支援と一体的に行うことにより、安心して出産・子育てができる環境づくりに取り組みます。
一方、出産届出時に10万円を支給する事業に替えて、1歳6か月時と3歳6か月時の幼児集団健診を受診し、相談・支援をした幼児の養育者に対し、本市独自に、それぞれ5万円、計10万円を給付したいと考えています。
また、令和5年度から新たに、1歳児に対する健康診査の費用を助成することにより、子供の健やかな成長・発達や子育て支援の強化を図ります。
あわせて、デジタルを活用した子育て支援として、引き続き、スマートフォンアプリ「母子モ💛いわくに」の一層の普及を図ります。
このほか、これまでと同様に、乳児から中学生までの医療費の無償化、市立小・中学校の給食費無償化について、引き続き実施してまいります。

健康づくり

​健康づくりにつきましては、度重なる新型コロナウイルス感染症の流行を通じ、市民の健康への意識が高まっています。
そのため、若い世代からの生活習慣病予防の啓発を行うとともに、市民一人一人が健康的な生活習慣への取組を継続できるように、地域や関係団体等と連携しながら、心と体の健康づくりを推進します。

高齢者が安心して生活できる体制づくり

高齢者が安心して生活できる体制づくりにつきましては、外出をサポートして、社会参加を支援するため、タクシー料金、錦川清流線や柱島航路の運賃の助成を、継続して実施してまいります。
また、市内の介護サービス事業所に就職した新卒の介護福祉士に対する給付金に加え、令和5年度から、市内の介護保険サービス事業所に常勤の介護支援専門員(ケアマネジャー)として新たに就労し、1年以上勤務した方に対する給付金の支給を実施してまいります。
あわせて、市内の居宅介護支援事業所や介護予防支援事業所に勤務する介護支援専門員の新規登録・継続に必要な研修の受講料の一部を補助することにより、介護支援専門員の就労促進・継続支援を図り、介護人材の安定確保と質の高いサービスの提供など、介護保険制度の安定的な運営を目指してまいります。
このほか、高齢者が住み慣れた地域で安心していきいきと暮らすことができるよう、市民組織や関係機関などとの連携・協働による地域包括ケアシステムの更なる深化に取り組んでまいります。

障害者が安心して暮らせる地域づくり

障害者が安心して暮らせる地域づくりにつきましては、「岩国市手話言語条例」に基づき、障害者のコミュニケーションを支援する専門人材の育成や社会参加の促進を引き続き図ってまいります。
また、発達障害児に対する適切な支援が身近な地域で受けられるよう、支援機関の連携強化、支援者養成、家族支援等についても、継続して取り組んでまいります。
さらに、成年後見制度の普及啓発や利用促進を図るため、相談窓口を設置し、支援が必要な認知症の高齢者や障害のある方の早期把握と早期支援に、これまでと同様に取り組んでまいります。

医療体制の堅持

医療体制の堅持につきましては、山口県や医師会等の関係機関と連携を図り、医師・看護師等の確保や育成支援、地域の実情に応じた医療体制の構築等に取り組んでまいります。
特に、看護師の確保対策として、将来、市内の医療機関等において、看護師等の業務に従事しようとする市内の看護学校に在学する看護学生に対し、修学資金の貸付けを令和5年度から新たに実施してまいります。
また、昨年1月に設置した「訪問看護ステーションさくら」が実施する訪問看護のエリアを、令和5年度から玖北地域の一部から全域に拡大して業務を実施してまいります。
さらに、中山間地域の中核病院の一つである市立美和病院の移転新築については、令和6年度中の開設を目指して引き続き進めてまいります。

いこいと学びの交流テラス整備事業

黒磯地区の岩国医療センター跡地においては、福祉・科学学習施設を核とし、ふれあい交流施設や自然交流施設、健康増進施設を配置した「いこいと学びの交流テラス」を整備します。
令和5年度は、引き続き、造成等の土木工事を実施し、合わせて建築工事にも着手することとしており、令和7年度末の完成を予定しています。
また、「いこいと学びの交流テラス」と藤生駅を結ぶアクセス道路の整備についても、取り組んでまいります。

2創意工夫に満ちた活力あふれる産業と観光のまち(産業)

二つ目は、「創意工夫に満ちた活力あふれる産業と観光のまち」です。

観光交流の推進

観光振興の推進につきましては、本市観光の目指すべき方向性を定め、その実現に向けた施策の推進を図るため、令和5年度から、観光振興計画の策定に取り掛かります。
また、ウィズコロナ・ポストコロナを見据え、関係団体等と連携し、観光体験メニューの充実や夜型観光の推進等により、本市の観光の魅力向上を図るとともに、首都圏等における観光宣伝やホームページ・SNS等を通じた国内外に向けての情報発信に積極的に取り組み、観光需要の回復につなげてまいります。
あわせて、錦帯橋周辺においては、(仮称)錦帯橋ビジターセンターの整備や大明小路通りの無電柱化をはじめ、観光駐車場の整備を進めるなど、岩国城下町地区における来訪者の回遊を促進し、にぎわいの創出に向けた受入環境の充実に取り組んでまいります。
さらに、海上自衛隊第31航空群の開隊50周年に合わせて、全国的にも認知度の高い砕氷艦「しらせ」の一般公開を実施することにより、市内外からの誘客を図ってまいります。
このほか、飛行艇ミュージアム(仮称)の整備についても、国に要望を行うとともに、官民一体となって機運の醸成を図ってまいります。

企業誘致の推進・商工業の振興

企業誘致につきましては、市街地に近い空港の立地や温暖で住みよい地域という本市の優位性をいかし、地域経済の活性化や雇用機会の拡大に寄与する幅広い企業の誘致を進めてまいります。
特に、リモートワークの普及などに伴い、都市部から地方にオフィス進出する企業の動きが加速しており、サテライトオフィスやIT関連企業の誘致に取り組んでまいります。
また、市内中小企業に向けては、生産性向上に欠かせないデジタル技術の導入やその人材の育成に向けた啓発・支援をしてまいります。
さらに、「しごと交流・創業支援施設Class Biz.」を活用し、創業期から事業が安定するまでの伴走型の創業支援や、異業種間の事業者連携などを進めてまいります。
このほか、県東部地域の産業振興の拠点施設として期待の大きい(仮称)山口県東部地域産業振興センターにつきましては、基本計画に基づき早期整備されるよう、引き続き、山口県に要望してまいります。

中心市街地の活性化

中心市街地の活性化につきましては、まちの集客力を高める「岩国駅前南地区第一種市街地再開発事業」への支援や、その再開発ビル内に予定している「にぎわい創出施設」の整備など、「第2期岩国市中心市街地活性化基本計画」に基づき、官民一体となり岩国駅周辺の活性化に取り組んでまいります。

空港の利用促進

空港の利用促進につきましては、県東部地域の空の交通拠点として、ビジネスや観光における一層の利用促進に取り組むとともに、今後のインバウンド観光を見据え、効果的な情報発信を行ってまいります。

農林水産業の振興

農林水産業の振興につきましては、「岩国市農林業振興基本計画」や「岩国市水産業振興基本計画」に基づき、本市の豊かな地域資源や特性をいかしながら、持続可能な農林水産業の振興を図ってまいります。
特に、農林水産業の将来を担う後継者や新規就業者を確保し育成するとともに、魅力的でやりがいのある産業とするため、新規就業や施設整備に対する支援などについて、引き続き、実施してまいります。
また、林業の活性化や森林の持つ多面的機能の維持を図るため、森林の適切な経営・管理の推進や木材利用の促進などに取り組んでまいります。

シティプロモーションの推進・岩国ブランドの構築・移住定住の促進

シティプロモーションの推進につきましては、充実した子育て支援策や英語教育・国際交流などの独自の施策も含めた本市の魅力を地域ブランドとして、ARなどの先進技術やメディアを活用しながら、市内外へ効果的にプロモーションを行い、関係人口の創出を図ってまいります。
その中でも、特産品をはじめとした岩国ブランドの構築につきましては、ブランドとして価値が適正に評価される市場・販路を開拓するため、お土産統一ブランド「つまんでちょんまげ」などの地域の特徴をいかした商品やサービス等の高付加価値化に資する取組を支援してまいります。
移住定住の促進につきましては、今年度に整備したお試し住宅の運用により、本市への移住を検討している方に本市の魅力を体感していただくとともに、移住コーディネーターを新たに配置し、移住相談の充実や魅力発信により、交流・関係人口の増加や移住・定住を促進してまいります。

3地域資源を賢く使い、持続可能で快適に暮らせるまち(生活環境)

三つ目は、「地域資源を賢く使い、持続可能で快適に暮らせるまち」です。

幹線道路整備の促進

幹線道路につきましては、渋滞緩和や災害への対応、岩国錦帯橋空港や岩国医療センターへのアクセス向上などの観点から、岩国大竹道路や藤生長野バイパスの早期完成と岩国西バイパスの早期実現に向け、官民一体となって、国や山口県に対し要望してまいります。
また、藤生長野バイパスへのアクセス道路や楠中津線についても、引き続き整備を行い、利便性の向上や生活環境の改善に取り組んでまいります。

生活道路の整備

生活道路につきましては、地域内の移動が安全で快適にできるように、道路の巡視や情報収集を行い、適切な維持管理を行うとともに、自動車や歩行者等の安全性や利便性に配慮し、地域の実情に応じた生活道の整備・改修を進めてまいります。
また、市民が安全に橋りょう等を利用することができるよう、点検結果に応じて計画的な補修等に取り組んでまいります。

南岩国駅・新岩国駅の周辺整備

南岩国駅周辺整備につきましては、駅前広場や駐輪場の整備を実施し、安全で快適に利用できる交通結節点となるよう、令和5年度中の完成に向けて取り組んでまいります。
さらに、新岩国駅前広場につきましては、送迎用駐車場、バス、タクシーの乗降場等について関係機関と調整し、安全で利用しやすい広場となるよう設計に取り組んでまいります。

公共交通サービスの整備

​公共交通サービスの整備につきましては、既存の公共交通の更なる有効活用を図るとともに、乗合タクシーをはじめとした、予約乗合型の新たなデマンド交通の実証運行などを実施し、効率的で持続可能な移動手段の提供を進めてまいります。

下水道の整備

下水道の整備につきましては、川下地区や岩国地区の面整備に着手するなど、計画的に各処理区の面整備を進め、未普及地域の解消に取り組んでまいります。

4誰もが安心・安全に暮らせるまち(安心・安全)

四つ目は、「誰もが安心して安全に暮らせるまち」です。

防災・減災対策の充実

防災・減災対策につきましては、引き続き、防災行政無線の屋内受信機の整備を進めるとともに、自主防災組織の活動を支援し、地域防災力の向上を図るなど、市民の安心・安全の確保に向けて取り組んでまいります。

浸水対策等の推進

浸水対策につきましては、排水路の改修をはじめ、ポンプ場や雨水調整池の整備を進めており、横山地区では新たなポンプ場の建設を、平田地区では既存ポンプ場の改修を進めてまいります。
また、河川における堆積土砂の撤去等により、浸水被害を軽減するとともに、急傾斜地崩壊対策の推進により、土砂災害の防止を図ってまいります。

犯罪・事故の抑制と被害者への支援

安心・安全対策につきましては、自治会管理の防犯灯への設置費用や電気料金の助成を継続するとともに、防犯カメラの適正な運用を図り、犯罪や事故等の未然防止に努めてまいります。
また、犯罪被害に遭われた方やその御家族が地域で安心して暮らすことができるよう、相談窓口の更なる充実を図るとともに、経済的負担軽減のための支援金を支給するなど、犯罪被害者等の支援を推進してまいります。

米軍岩国基地安全対策の促進

米軍岩国基地の安全対策として、航空機騒音については、引き続き、地域の実情に即した騒音軽減対策に鋭意取り組んでまいります。
このうち、防音工事の補助対象を事務所・店舗等にも拡大することについては、国において、実態を把握するための調査が行われました。
現在、このことを踏まえて、必要な検討が行われていると考えています。
今後も、国に対して重点的に要望を行うなど、早期の実現に向けて取り組んでまいります。
さらに、今後予定されている第一種区域の見直しに際しては、年間のW値だけでなく、空母艦載機部隊の滞在時や、外来機の飛来など、米軍の運用によって大きく影響を受けている騒音状況を踏まえ、地域の実情に即した見直しを行うよう、継続して国に対し要望してまいります。
また、米軍関係者による事件・事故等の防止については、引き続き、これを未然に防ぐための啓発活動などの取組を行うとともに、国や米側に対しても実効性のある対策の実施に万全を尽くすよう、求めてまいります。

5豊かな心を育む教育文化のまち(教育・文化)

五つ目は、「豊かな心を育む教育文化のまち」です。

地域と一体となった教育力の向上

地域と一体となった教育の推進につきましては、コミュニティ・スクールや地域協育ネットを基盤とした小中一貫教育の仕組みをいかし、学校、家庭、地域の連携・協働により、子供たちの豊かな学びや育ちを支援してまいります。

教育環境の充実

教育環境の充実につきましては、トイレの洋式化や特別教室の空調整備、施設の老朽化に伴う改修などを進めてまいります。
また、北部地域の小・中学校の児童生徒に対して、給食を安定的に提供するため、美和西小学校に共同調理場を整備します。
さらに、小中学校においては、タブレット端末をはじめとしたIT機器の活用を推進し、児童生徒が主体的・対話的に学習を深めていくことができるよう、引き続き取り組んでまいります。
このほか、通学路における危険箇所については、児童生徒の安全を確保するため、歩道や照明灯の整備などを進めてまいります。

文化・芸術活動の推進

文化・芸術の振興につきましては、岩国市文化芸術振興財団等と連携し、文化芸術振興プランに基づく施策を推進することで、「文化芸術創造都市」の実現を目指してまいります。
また、岩国市民文化会館や吉香茶室等、文化施設の活用を図り、市民が文化・芸術に気軽に触れ、多彩な活動を創造・発信できる環境づくりを進めてまいります。

文化財の保存・活用

文化財の保存・活用につきましては、錦帯橋が創建から350年の節目を迎えることから、錦帯橋において記念人文字を作成するなど市民の皆様と一緒になってお祝いするイベントのほか、記念企画展示の開催等を通して、錦帯橋の今も変わらぬ美しい姿を広く国内外に発信するとともに、未来に引き継いでまいります。
また、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた取組として、市民や関係団体と連携しながら、世界遺産暫定一覧表に記載されることを目指して、文化庁に対し積極的な働き掛けを行ってまいります。
さらに、錦帯橋の価値等について国内有識者の専門的な立場からの意見等も踏まえ、海外の有識者へも広く理解促進を図ってまいります。
あわせて、岩国城跡の国史跡指定を目指し、文化財としての価値を明らかにするための調査を進めてまいります。
国の重要文化的景観に選定された、横山・岩国に広がる城下町地区とその周辺の山々につきましては、文化的景観の価値を保存・継承するため、整備計画を策定するとともに、歴史的な資源を活用した、城下町のにぎわいの創出に取り組んでまいります。
このほか、令和5年度に新たな博物館の実施設計と岩国徴古館の改修設計を行い、施設の整備を進めてまいります。

生涯学習の推進

生涯学習の推進につきましては、中央公民館の建て替えに向けて、今年度に引き続き、実施設計と解体工事を実施し、本市の生涯学習の中核となる施設として、令和7年度末の完成に向けて、取り組んでまいります。
また、防衛装備庁艦艇装備研究所岩国海洋環境試験評価サテライトにおいては、今年度と同様に、市内の小中学生を対象とした水中科学教室を開催し、科学について楽しく学ぶ機会を提供してまいります。

スポーツ活動の推進

スポーツ活動の推進につきましては、バレーボール元日本代表等の選手が参加するドリームバレーの開催や市民健康スポーツのつどいなど各種スポーツイベントへの参加促進など、生涯スポーツ社会の実現に取り組んでまいります。
また、愛宕スポーツコンプレックスなどを活用し、国内外からのスポーツ合宿の誘致促進を図り、更なるスポーツ交流人口の拡大を図ります。
県立武道館の整備につきましては、山口県による基本設計が完了し、実施設計業務に着手されたところであり、市においては、スポーツ団体等と協力しながら、諸課題を整理・検討していくとともに、引き続き、山口県と連携してまいります。

国際交流の推進

国際交流事業の推進につきましては、日本語や日本文化を大切にしながらも、英語教育や国際交流が充実した「英語交流のまちIwakuni」の実現を目指し、取り組んでまいります。
この取組の一つとして、昨年3月に開設した「英語交流センターPLAT ABC」を拠点施設として活用し、英語の学び・学び直しや日本人と外国人が楽しく交流できる場の提供に努めてまいります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により中断していた青少年海外派遣事業の再開に向けて、エベレットコミュニティカレッジや関係機関と協議を進めてまいります。

6多様性を尊重し、支えあいと協働で暮らしを支え、育むまち(市民協働・多様性)

六つ目は、「多様性を尊重し、支えあいと協働で暮らしを支え、育むまち」です。

地域づくり活動の促進

地域づくり活動の促進につきましては、地域での支えあいによるまちづくりの推進のため、地域づくりに意欲的な人材の派遣のほか、地域の課題を解決するための支援を実施してまいります。
また、市民活動団体や自治会などの多様な主体が広範囲に連携し、それぞれの長所をいかした協働事業が推進されるよう、継続して取り組んでまいります。
さらに、過疎化や少子高齢化の進行が著しい中山間地域においては、地域をけん引するリーダー等の人材育成や地域活動団体への支援、地域おこし協力隊や集落支援員といった外部人材の活用などにより、地域の課題解決と活性化を図ります。

人権啓発・男女共同参画の推進

人権啓発につきましては、人権に対する意識や知識、実践力を高める取組を継続するとともに、多様性を受け入れるための理解と配慮の促進を図ります。
また、今年度策定の「第4次岩国市男女共同参画基本計画」に基づき、男女共同参画社会の実現に向けた各種施策を総合的かつ計画的に推進してまいります。

7時代や市民ニーズに合った行政経営に取り組むまち(行政経営・デジタル改革)

七つ目は、「時代や市民ニーズに合った行政経営に取り組むまち」です。

市民サービスの向上

市民サービスの向上につきましては、質の高い行政サービスを提供するため、ICT技術の活用等による、行政手続や窓口業務の効率化等を推進し、市民満足度の向上を図ります。
具体的には、昨年11月に、本市におけるICT技術を活用した施策を推進することを目的として策定した「岩国市デジタル化推進計画」に沿って、キャッシュレス決済や電子申請などのオンライン化を推進し、市民サービスの向上に取り組んでまいります。
また、高齢者等におけるデジタルデバイド対策に取り組むことにより、全ての市民がICT技術の活用等による利便性の向上を実感できるよう取り組んでまいります。

財政基盤の強化

財政運営につきましては、歳入では、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することなどに伴い、社会経済活動が低迷する中、税収等の見通しが不透明な状況が続いています。
一方、歳出では、高齢化の進展などによる社会保障費をはじめ、子育て世帯への支援などの少子化対策、大規模な建設事業、公共施設等の維持管理や更新、行政のデジタル化の推進などに多額の財源を要することなどから、今後も厳しい財政状況が続くものと見込まれます。
こうした中においても、総合計画に沿ったまちづくりの施策を着実に実施していくため、「将来負担の軽減」を財政運営の基本方針と定めた財政計画に基づき、歳入の確保や歳出の合理化などに取り組み、財政基盤の強化を図ってまいります。

公共施設マネジメントの推進

公共施設マネジメントの推進につきましては、本年3月に策定を予定している「岩国市公共施設個別施設計画」に沿って、財政負担の軽減や公共サービスの維持・向上を図るため、公共施設の再編・再配置を進め、安心安全で次世代に負担をかけない公共施設を目指して、「質」と「量」の最適化に取り組んでまいります。

むすびに

以上、令和5年度の主な取組について申し上げました。
こうした主要施策を着実に推進していくため、令和5年度からは、大規模な組織の見直しを行うこととしています。
この新たな組織体制のもと、本市を取り巻く様々な課題について、決断力とスピード感を持って取り組み、総合計画に掲げる将来像である「ともに歩み、ともに創り、ともに輝く、交流とにぎわいのまち岩国」の実現に向けて、全力で市政運営に取り組んでまいります。
議員各位をはじめ市民の皆様には、御支援と御協力を賜りますようお願いを申し上げまして、私の施政方針とします。