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平成29年度 施政方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年4月1日更新

はじめに

平成29年度の当初予算をはじめ、諸議案の審議に先立ちまして、施政方針について、ご説明いたします。
私が市長3期目のスタートを切り、早くも1年が経過しました。この1年を振り返りますと、岩国市は平成18年の市町村合併から10年の節目を迎え、3月には記念式典を開催し「市民の心をより一つに」という願いを込めて作成した岩国市歌を披露するとともに「文化芸術が彩る こころ豊かなまち」を築いていくために文化芸術創造都市を宣言するなど、本市の輝かしい未来の創造に向けて市民の皆様と共に手を取り合っていくことを再認識いたしました。
5月には、アメリカ合衆国のオバマ大統領が現職大統領としては初めて広島を訪問され、私も岩国基地で大統領を出迎え、限られた時間ではありましたが会話する機会もございました。
大統領が岩国基地でのスピーチで岩国市民への感謝の言葉を述べられたことは、これまで本市と米国が良好な関係を築いてきたことの証しであると感じたところです。
その後、米国のトランプ政権への移行やイギリスのEU離脱問題など、国際環境は複雑さを増しております。このような世界情勢を注視しながらも、市長就任以来一貫して掲げております「夢をかたちに」をモットーに、一つ一つ夢の実現に向けまい進してまいります。

米軍再編

「米軍再編」につきましては空母艦載機の岩国飛行場への移駐に関し、去る1月20日、岸外務副大臣および宮澤防衛大臣政務官から、移駐の時期、航空機の機種・機数、それを基に新たに作成された騒音予測コンター、E―2Dの配備前訓練について説明がございました。
同月27日には、市議会全員協議会において同様の説明がなされたところであります。
空母艦載機の移駐につきましては、これまで国から2017年頃に59機が移駐すると説明されておりましたが、移駐する機数は61機と見込まれ、早ければ今年の7月以降に開始されると説明がありました。
ご承知のとおり、市においては現在、安心・安全対策や地域振興策等に係る国との協議を継続しておりますが、現時点においては、多くの市民が納得のできる成果が得られているとはいえず、まだ残された課題があると考えております。
こうした状況を踏まえ、説明があった際、私は国に対し「覚悟を持って、目に見える形で対応していただきたい」と申し上げたところであります。
全員協議会においても、満足のできる成果が得られていないことに対し多くの議員の皆様から厳しいご意見やご質問が出されるとともに、防犯灯・防犯カメラの設置、市立小中学校の給食無償化、岩国南バイパスの南伸などについても求められたところであります。
岩国市や市議会からの意見や要望に対しては、岸外務副大臣および宮澤防衛大臣政務官から、前向きな回答があったと受け止めております。
2月5日には私と桑原議長が菅官房長官と面談し、その際にも同様の要望をさせていただきましたが、官房長官から「政府としてしっかりと対応していきたい」とのご発言もございました。 市といたしましては、これらの要望に対して国を挙げて目に見える形でしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
空母艦載機の移駐に関して、具体的な移駐の時期が示されましたが、市の今後の対応としましては、移駐のスケジュールありきではなく安心・安全対策、地域振興策等に係る国との協議を継続し、協議に一定の区切りを付けなければならない段階で、達成状況や各要望事項に対する国の対応状況を踏まえ、またこれまでの成果も併せて総合的に判断する必要があるものと考えております。
私は、市政は実際の取り組みにおいて実効性が確保できるかどうかが重要であると考えており、そうしたことから米軍再編に対しても、これまで現実的かつ実効性のある対応を重ねてまいりました。その結果、愛宕山まちづくり区域の整備、こども医療費の助成、中学校給食センターの整備、学校施設等の耐震化、防災無線放送施設の整備をはじめ、地域の生活環境の改善のため、市道の改良舗装や河川の改修・浸水対策などにも再編交付金を活用して事業を実施し、一定の成果を挙げることができたと考えております。
他方、航空機騒音や事件・事故をはじめ、基地に起因するさまざまな問題に対しては、これまでも住宅防音工事の対象住宅の拡大や安心・安全パトロール、基地内でのセーフティ・ブリーフィングなどに取り組んでまいりました。
今後も市民の安心・安全の確保に全力で取り組むとともに、その上で、地域の負担と協力に見合うだけの財政的支援を得られるよう国と交渉し、本市の長期的な発展に向けて、より一層の努力をしてまいります。

まちづくりの将来像を実現するための6つの基本目標とそれを支える行政経営

総合計画に掲げております、まちづくりの将来像「豊かな自然と歴史に包まれ、笑顔と活力あふれる交流のまち岩国」を実現するための6つの基本目標とそれを支える行政経営について、主な取り組みを申し上げます。

1子育てといきいきとした暮らしを応援するまち(福祉・健康)

子育て支援の充実

子育て支援につきましては、子供一人一人に寄り添い子供たちが安心して健やかに育つことができ、地域の人々と連携し子育てを支え合うことで誰もが明るく充実した笑顔があふれる社会となるよう、施策の一層の充実を図ります。
昨年4月から、スマートフォン向けの「いわくに子育て支援アプリ」を活用して多様な子育て支援情報を発信しており、今後も市民が必要とする情報の収集を積極的に行い、充実に努めてまいります。
子育て世代包括支援センターにおいて、妊娠から出産、そして子育てにわたり、切れ目のないきめ細かな相談・助言などの支援を行い、全ての子供の健やかな成長を目指すとともにインフルエンザ等の予防接種費用の助成などを行ってまいります。
乳幼児医療費助成制度とこども医療費助成制度については、昨年10月から所得制限を撤廃するとともに対象年齢を中学生まで拡大したところです。
そのほか市立小中学校の給食無償化の検討を進めるなど、今後とも子育て世帯の経済的負担の軽減を図り、子育てをしっかりと応援してまいります。

健康づくり

健康づくりにつきましては、市民一人一人の「豊かな人生」を目指し、市民の誰もが生涯にわたり、健康で生き生きとした生活を送ることができるよう、健康づくり推進体制の充実を図ってまいります。
また健康寿命の延伸を図るため、市民との協働により生活習慣病の予防に向けた食生活の改善や、運動習慣・健診受診の普及啓発に取り組んでまいります。

高齢者が安心して生活できる環境づくり

高齢者保健福祉施策の総合的な推進と介護保険事業の円滑な実施に努め、医療、介護、介護予防、住まいおよび生活支援が包括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築および実現に向け、市民組織、関係機関、関係団体と連携・協働し、高齢者が住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らすことができる環境づくりに取り組んでまいります。

2空港を軸とした活力ある産業と観光のまち(産業)

観光交流の促進

観光振興の取り組みにつきましては、登録有形文化財「國安家住宅」を活用した「岩国市観光交流所」を観光・物産情報の提供や地域住民との交流の場として本年3月末にオープン予定としており、吉香公園内には「錦帯橋のう飼」の主役である鵜の飼育場も同時期に完成する予定としております。
6月からは、JR西日本の豪華寝台列車「瑞風(みずかぜ)」の立ち寄り観光が、月2回程度予定され、利用者の皆様に本市の歴史に触れながら錦帯橋周辺の観光をしていただく予定でございます。
さらにJRと連携したデスティネーションキャンペーン関連事業では、岩国藩鉄砲隊の演舞や岩国市観光協会が実施する錦帯橋地酒舟など、錦帯橋周辺地域における魅力向上を図りながら誘客促進に努めてまいります。
インバウンド対応としましては、連携中枢都市圏による取り組みの中で、広島市と連携した広島フリーWi-Fiの整備を随時進めることで、外国人観光客に向けた設備の充実を図ってまいります。
今後においても市内各地域の観光資源のPRはもとより、近隣市町や各観光協会、岩国観光プロモーション戦略協議会など関係機関との連携を図りながら、広域的な観光誘客を積極的に展開してまいります。

企業誘致の推進

地域活性化の鍵を握る「雇用」と「所得」を生み出す原動力となる企業立地につきましては、岩国錦帯橋空港開港を契機に着実に成果が上がっておりますが、首都圏の企業3千社を対象にアンケート調査を行いました「企業誘致ターゲットデータ戦略事業」の結果を基に、首都圏に向けての企業誘致を更に強力に推し進めてまいります。
平成33年度をめどに、防衛装備庁艦艇装備研究所の試験評価施設が本市に設置されることが決定しております。
先進的な研究分野である「水中無人機を試験評価する施設」となることから関連する企業の誘致を進め、新たな産業や雇用の創出を目指してまいります。
「温暖な気候」や「地震リスクの少なさ」などの地理的条件に加え、岩国錦帯橋空港をはじめとする「陸・海・空」の全ての交通基盤がそろった山口県東部の拠点都市としての高いポテンシャルをいかし、より多くの企業が本市に進出されるよう私自らも精力的にトップセールスを行ってまいります。

中心市街地の活性化

中心市街地の活性化につきましては「岩国市中心市街地活性化基本計画」に掲載した52事業をより効果的に推進するため、株式会社街づくり岩国から「岩国駅周辺のグランドデザイン」が提案される予定となっております。
今後このグランドデザインを基に、中心市街地ににぎわいを取り戻すための事業に、引き続き官民一体となって取り組んでまいります。
また岩国駅周辺における民間事業者による自主的なまちづくりについては、にぎわいの創出につながるよう、官民が連携し、それぞれの役割分担を踏まえた事業の推進を図ってまいります。

空港の利活用の促進

岩国錦帯橋空港につきましては、昨年から1日5便に増便された羽田線が継続運航されるとともに来月26日からは岩国那覇線が再開され沖縄での滞在時間が拡大する、市民の皆様が利用しやすい運航ダイヤで年間運航されます。
今後も恵まれた気象条件による安定的な運航や市街地に近いことなど、安定性と利便性の良い空港の特性をいかし、近隣市町の広域的な利用だけでなく、首都圏や沖縄県からの誘客についても積極的に行い、地域経済の活性化に努めてまいります。
また空港施設の機能充実などにおいても、山口県や関係機関と連携し、空港の更なる利便性の向上に取り組んでまいります。

岩国港臨港道路の整備

岩国港臨港道路につきましては、国の直轄事業として全延長2・9kmの整備計画で着工されており、装束地区からポートビル前までの区間が昨年4月24日から供用開始され、残りの区間についても、平成32年度の事業完了を目指して実施されております。市としましては全線の早期完成に向け、引き続き国および県に強く要請をしてまいります。

シティプロモーション・地域ブランドの推進

シティプロモーションの推進につきましては、本市にお住まいの皆様に対してはまちの魅力を再確認、再発見し、まちへの愛着と誇りを持つ、シビックプライドの醸成を図っていただけるよう、また市外にお住まいの皆様に対しては、本市の魅力ある資源や充実した施策を積極的にアピールし、認知度を高め「訪れてみたい」「住んでみたい」と思っていただけるよう、積極的かつ効果的なプロモーションを展開してまいります。
地域ブランドの推進につきましては、平成28年度中に策定予定の基本方針に基づき、官民協働の「(仮称)岩国市地域ブランド推進協議会」を設置し、当協議会を中心としたプロモーション活動、商品開発支援等の取り組みを通じ、本市特産品の地域ブランド化を図ってまいります。

3豊かな自然と充実した社会基盤により快適に暮らせるまち(生活環境)

幹線道路整備の促進

幹線道路は広域的な都市間ネットワークの充実・強化を図る重要な道路であり、渋滞緩和や災害に強い道づくり、岩国錦帯橋空港等の地域拠点施設へのアクセス向上の観点等からも不可欠のものであることから、岩国大竹道路の早期整備、岩国南バイパスの南伸および岩国西バイパスの早期実現について官民一体で国や県に対し強く要望し、
着実に進めてまいります。

岩国駅の整備

JR岩国駅につきましては、東西自由通路と橋上駅舎の鉄骨工事が完了し、平成29年度内の供用開始に向けて本体工事が順調に進んでおります。
バリアフリー化された自由通路と橋上駅舎の完成により、誰もが安全に岩国駅を利用することが可能になるとともに、駅東西地域の自由な交流や中心市街地の活性化が図られるものと考えております。
駅舎内には、新たにバス待合と観光案内の機能を併せ持つ施設を設置することとしており、交通結節点としての利便性の向上につながるものと考えております。
引き続き市の玄関口としてふさわしい岩国駅となるよう、東西駅前広場等の平成31年度の事業完了を目指し着実に進めてまいります。

公共交通利用促進

今後、高齢化が進むことにより増加することが予想される交通弱者への移動手段の確保など新たな課題に対応するため「岩国市地域公共交通網形成計画」を策定し、持続可能な公共交通ネットワークの構築を目指すとともに、モビリティマネジメント事業などを推進することにより地域交通の充実に努めてまいります。

愛宕山運動施設

現在国が工事を進めている愛宕山地区の運動施設エリアにおきましては、市民の皆様の要望を踏まえた、高校野球の公式試合ができる規模の野球場、インフィールドにサッカー場のある陸上競技場、日米文化交流に利用可能な和室や調理室を備えたコミュニティセンターなどの整備が、平成29年度の完成を目指して鋭意進められております。
これらの運動施設が岩国運動公園などと同様の利用ができるだけでなく、日米交流を通じて双方の絆をさらに深めることのできる貴重な機会が得られる場となるよう、引き続き防衛省や米軍との調整を進めてまいります。

下水道施設の整備

公共用水域の水質や水環境の保全を図るため、生活排水対策の一つとして推進しております公共下水道事業につきましては、平成28年度から防衛省の補助金を活用した川下地区の下水道整備に取り組んでおり、下水道普及率の更なる向上を目指してまいります。

4誰もが安心・安全に暮らせるまち(安心・安全)

医療・防災交流拠点の整備

愛宕山まちづくり区域におきましては本市の「医療・防災交流拠点」の整備を進めており、昨年3月から最新鋭の高機能通信指令システムを備えた消防本部や、災害体験学習が可能な「防災学習館」などを併設する「いわくに消防防災センター」の運用を開始しております。
隣接する多目的広場については、平常時には市民の誰もが憩い・集える施設として、災害発生時には医療センターや防災センターと連携し、近隣地域の一時避難所や物資の輸送拠点として活用することとしており、今年度から造成工事に着手し、平成32年度の完成を目指してまいります。

防災対策の充実

防災対策につきましては、現在の岩国地区消防組合中央消防署玖西出張所および玖珂機関員駐在所の消防庁舎を統合移転する予定としております。
この統合移転により職員増員による体制強化や救急車両等の増車を図ることで、玖西地域はもとより南河内、北河内地区への火災、救急出動にも迅速かつ機動的に対応できるようになり、地域の安心、安全が向上するものと考えております。

岩国医療センター跡地の活用

黒磯地区の岩国医療センター跡地につきましては「市民が安心していきいきと暮らすことができる福祉のまちづくり」を行うため、平成28年度から2カ年をかけ、まちづくりの基本的な方針や土地利用計画などについて検討を進めているところです。

安心・安全対策の推進

子供たちの通学路における、交通安全・生活安全対策につきましては、今後も地域の状況に基づきLED照明の設置を進めていくとともに、引き続き歩道の設置等を実施してまいります。
また橋りょうについては、老朽化対策として長寿命化計画に基づき維持補修を着実に実施するとともに、耐震化も計画的に実施してまいります。
さらに大雨による冠水が多く発生している地区においては浸水被害の軽減を図るため、排水施設網の整備や地下調整池の設置を進めていくとともに、普通河川の流末における排水処理能力向上のため、ポンプ場の改良を行ってまいります。
土砂災害の防止を図るために、急傾斜地崩壊対策事業を推進していくとともに山口県が指定した「土砂災害特別警戒区域」について関係する地区の方々への啓発活動に努めてまいります。

5心の豊かさと生き抜く力を育む教育文化のまち(教育・文化)

地域と一体となった教育の推進

地域連携教育の推進につきましては「コミュニティ・スクール」が核となり、中学校区ごとに構築した地域協育ネットの仕組みをいかして、学校・家庭・地域が連携・協働することにより社会総掛かりで子供たちの学びや育ちを見守り、支援していきます。
また小中連携を深化・充実させ「岩国市小中一貫教育」の基本方針・基本計画の下、義務教育9年間を通して継続的で一貫性のある教育を推進し、児童生徒一人一人の個性を伸ばしそれぞれの夢の実現につなげてまいります。

教育環境の充実

子供たちが健やかに育ち、確かな学力を身に付け、たくましく成長していけるよう、小中学校の防災機能の強化や空調設備の整備促進など安心・安全で快適な学習環境の整備を進めるとともに、玖珂小学校の校舎完成に伴う周辺整備や東小・中一貫教育校の校舎建設整備への取り組み、(仮称)玖珂・周東学校給食センター建設など、施設の改築事業・老朽化対策についても積極的かつ着実に取り組んでまいります。
さらに現代の情報化社会を生き抜く子供の育成を目指し、市立の全小中学校に整備したタブレット端末等を活用してまいります。

文化・芸術の振興

昨年3月、市と市民、文化芸術団体が手を携えて、文化芸術の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため「文化芸術振興プラン」を策定しました。このプランの将来像として掲げる『文化芸術が彩るこころ豊かなまち~世界へ、そして未来へ~』の実現を目指して「錦帯橋千年プロジェクト」「世界とつながる文化交流プロジェクト」「未来へはばたく 子供夢プロジェクト」を重点プロジェクトとして取り組みを進めてまいります。

文化財の保護・活用

錦帯橋から広がる美しい景観、そして歴史や構造といった橋の価値を国内外に広め、来訪者へのおもてなしと地域のにぎわいを創出するため(仮称)錦帯橋資料館の整備を進めてまいります。また昨年11月に錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会を設立したことを契機に、山口県や関係団体との連携を深め、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた取り組みを一層推進してまいります。

スポーツ活動の推進

スポーツ活動の推進につきましては、市民健康スポーツのつどい等のスポーツイベントへの参加促進を図りスポーツ人口の拡大に取り組むとともに、昨年4月に「体育・スポーツ振興に関する協定」を締結した日本体育大学に選手等を派遣する事業や市内小中学校等に講師を招へいする事業を実施してまいります。国際交流や地域スポーツの活性化を目指し、2020年東京オリンピックの大会期間前の事前キャンプ誘致活動を積極的に進めてまいります。

6支えあいと協働でつくる絆のあるまち(市民協働)

協働のまちづくり

協働のまちづくりにつきましては、昨年9月に策定した「岩国市協働のまちづくり促進計画」に基づき、市民活動団体や自治会といった多様な主体と連携して協働のまちづくりに取り組むなど、市民一人一人が地域社会の一員であることを自覚し、住み良いまちにしていくための協働のまちづくりに市民の皆様と一緒に取り組んでまいります。
また協働のまちづくりを行う際の具体的なマニュアルを策定するとともに、いわくに市民活動支援センターを中心に、市民活動団体や地域のリーダーといった協働のまちづくりの担い手を育成するなど、市民が積極的にまちづくりに参加・参画できる機会および互助・共助を進める体制の整備を行い、市全体に協働の輪を広げてまいります。

中山間地域の振興

中山間地域は人口の著しい減少と少子高齢化の急速な進行に伴い、集落機能の低下や農林水産業等の経済活動の停滞など、さまざまな課題に直面している地域もあることから、持続可能な集落対策を行うことが地域に人を呼び込むことの基盤づくりにつながるという考えの下、地域おこし協力隊などの外部人材の活用とUJIターン促進事業とを連携させながら、地域の皆様と協働して地域力の維持と活性化に努めてまいります。
農林水産業においては、農林漁業者の高齢化や担い手不足、耕作放棄地の拡大など山積する課題に積極的に対応することが重要となっております。
そのために農林水産業を支える担い手づくり、美しく豊かな里山や里海をいかした活力にあふれる地域づくり、農林水産業の生産基盤づくりに加え、近年顕著になっている鳥獣被害の防止策などを推進してまいります。

未来につながる健全な行政経営に取り組むまち(行政経営)

行政経営改革の推進

人材、資産、財源、情報といった限られた経営資源を有効に活用し、質の高い行政サービスを提供する行政経営改革を着実に進めてまいります。
この一環として、現在全庁的に業務改善運動を展開しており、この運動を通して職員個々の意識改革を促進してまいります。
多様化する市民ニーズに応え行政サービスを向上させるため、マイナンバーカードを利用して住民票の写し、戸籍証明書等を取得できる「コンビニ交付」の平成30年度導入に向け、システム改修等の整備を進めてまいります。
そのほか玖珂・周東の庁舎整備に当たっては、行政サービスの拠点としてだけでなく市民活動や防災の拠点として、多様で総合的な機能が発揮できる複合施設として平成32年4月の供用開始を目指し整備を進めてまいります。
そして岩国市民のより良い未来のため、安心・安全で次世代に負担をかけない最適な公共施設等を目指して、公共施設等の管理に関する基本方針や実施方針などを盛り込んだ「公共施設等総合管理計画」や公共施設全体の再編・再配置など個別具体的な行動計画の策定を進め、公共施設等のマネジメントの推進に取り組んでまいります。
財政運営については、これまで「財政健全化計画」や「財政計画」に基づき、市債残高の縮減をはじめとした将来負担の軽減に取り組んだ結果、健全化判断比率においては徐々に改善が図られております。
しかしながら歳入においては、市税の増収が見込めない中、普通交付税の段階的な縮減が始まってから2年目となり、今後も更なる減収が見込まれております。
一方で歳出においては、高齢化の進展などによる社会保障費や、大規模事業、公共施設の維持管理等に多額の一般財源を要することから、これからも厳しい財政状況が続いていくものと見込んでおります。
また大規模事業の実施に伴い、合併特例債などの市債発行額が増加していくことから、発行額が償還額を上回り、市債現在高は増加に転ずると見込んでおり、これが将来の財政負担となることが懸念されます。
こうしたことを踏まえ、財政計画の見直しを行い、将来にわたって持続可能な財政運営のために必要な取り組みを進めてまいります。

むすびに

以上、平成29年度の重要課題や主な取り組みについて申し上げました。
最後になりますが、我が国では平成20年をピークに人口減少局面に入るとともに、若い世代を中心とした東京圏への一極集中が依然として続いております。
本市の人口につきましても、昭和55年の約16万4千人をピークに減少が続いており平成27年の国勢調査では約13万7千人となっています。さらに40年後には、10万人程度となると予想されています。
そうした中において、本市が将来にわたり輝き続けさらに100年先も発展していくためには、次代を担う若い世代の存在が不可欠であります。
私は就任以来、「子育てするなら岩国市」を合言葉に子育て施策を推進してまいりましたが、今後も引き続き子育て世代の方々に魅力を感じていただける施策や、安心して子供を産み育てることのできる環境整備に取り組み、
出生数の増加や移住・定住の促進に結び付けてまいりたいと考えております。
岩国市が「若い世代に選ばれるまち」となり、将来にわたり持続的に発展できるよう、今後とも市民の皆様と協働して、全力でまちづくりに取り組む決意でございますので、議員各位をはじめ、市民の皆様のご支援とご協力を賜りますようお願いを申し上げまして、私の施政方針といたします。