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令和7年度 施政方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年2月19日更新

はじめに

令和7年度の当初予算をはじめ、諸議案の審議に先立ちまして、施政方針について申し上げます。
この1年を振り返りますと、「令和6年能登半島地震」から始まり、初めての南海トラフ地震臨時情報が発表されるなど、自然災害の脅威を改めて認識し、防災や災害時への備えの重要性について強く感じた一年でありました。
また、昨年6月に公表された令和5年の人口動態統計においては、合計特殊出生率や出生数が過去最低を更新するなど、全国的に少子化と人口減少が進行している状況が浮き彫りになりました。
このような状況は、本市においても例外ではなく、現在、策定を進めている次期総合戦略において、「人口減少の抑制」と「地域活力の向上」を目指し、岩国の更なる魅力を引き出し、刻々と変化する情勢にも柔軟に対応し、またスピード感を持って、全力でまちづくりに取り組んでまいります。

まちづくりの将来像を実現するための7つの基本目標

それでは、本市のまちづくりの指針となる「第3次岩国市総合計画」の7つの基本目標に基づき、主な取組を申し上げます。

市民一人一人がいきいきと暮らせるまち(健康・福祉)

一つ目は、「市民一人一人がいきいきと暮らせるまち」です。

子育て支援の充実

子育て支援につきましては、出産後1年以内の母子に対して心身のケアや育児のサポート等を行うことで、母親の身体的な回復と心理的な安定を促進し、母親とその家族が安心して子育てできるよう、新たに通所型や居宅訪問型を追加した産後ケア事業の拡充を図ってまいります。
また、妊娠期から出産、子育てまでを一貫して、身近で相談に応じ、様々なニーズに即した必要な支援につなぐため、伴走型相談支援の充実を図ってまいります。
さらに、保育士の確保に向けて、新規の就職や潜在保育士の復職を支援することで、市内保育園の受け入れ態勢の充実を図ってまいります。
加えて、利用者の利便性の向上や保育所業務の効率化のため、情報通信技術の導入に取り組んでまいります。

健康づくりの推進

健康づくりの推進につきましては、市民一人一人が健康への意識を高め、健康づくりに取り組むことができるよう、地域の関係団体や企業とも連携・協働し、生活習慣病予防や、心の健康に関する情報発信に努めてまいります。
また、定期的な健診受診の大切さを伝えるとともに、集団けんしん予約システムを導入し、健診の予約環境を整えてまいります。
さらに、帯状疱疹ワクチンが原則65歳を対象とする定期接種となることから、定期接種の対象とならない50歳、55歳、60歳を対象に、本市独自の基準による任意接種への助成を始めてまいります。

高齢者が安心して生活できる体制づくり

高齢者が安心して生活できる体制づくりにつきましては、敬老優待乗車証の交付や、タクシー料金、錦川清流線や柱島航路の運賃の助成を実施し、高齢者の生活や社会参加を支援してまいります。
また、介護保険サービスにつきましては、安定した介護保険サービスが提供できるよう、市内の介護保険サービス事業所に就職した介護福祉士や介護支援専門員に対する給付金の支給を引き続き実施するほか、資格の有無にかかわらず、初めて介護職員として就職した方や復職した方に対する支援を実施することで、介護人材の確保に努めてまいります。

障害者が安心して暮らせる地域づくり

障害者が安心して暮らせる地域づくりにつきましては、発達障害児に対する適切な支援が身近な地域で受けられるよう、支援機関との連携を強化し、発達障害のある子の育児を経験したペアレントメンターとの交流会を通じ、家族等に寄り添った支援に取り組んでまいります。
また、障害者の自立と社会参加の促進を図るため、障害者手帳アプリ「ミライロID」のほか、情報通信技術の活用を進めてまいります。

医療体制の堅持

医療体制の堅持につきましては、山口県や医師会等の関係機関と連携を図り、地域の実情に応じた医療体制の構築、医師・看護師等の確保や育成支援等に取り組んでまいります。
特に、安定的な周産期医療体制の確保に向けて、市内の分べんを取り扱う医療機関に対して、引き続き、産科病床を確保するための支援を実施するとともに、周産期医療を担う関係機関と連携し、山口大学から小児科医の派遣を受けて臨床・研究等を行うなど、医療提供体制を充実させるための支援に取り組んでまいります。
また、中山間地域の中核病院である市立美和病院の移転新築については、令和7年7月の開院に向け、整備を進めてまいります。

いこいと学びの交流テラス整備事業

福祉センター機能や科学センター機能などで構成される「いこいと学びの交流テラス」につきましては、令和8年度の供用開始を目指し、引き続き、整備を進めてまいります。
また、「いこいと学びの交流テラス」と藤生駅を結ぶアクセス道路の整備につきましても、早期の完成を目指して、取り組んでまいります。

創意工夫に満ちた活力あふれる産業と観光のまち(産業)

二つ目は、「創意工夫に満ちた活力あふれる産業と観光のまち」です。

観光交流の推進

観光交流の推進につきましては、JRと連携した大型観光キャンペーンである山口デスティネーションキャンペーンに向けた取組が始まります。
令和7年度は、プレキャンペーンとして、本市の観光資源を積極的に情報発信するなど、誘客促進に努めてまいります。
また、今後のインバウンド需要を見据え、山口県や関係市と共同で日本に興味を持つ外国人に向けた情報発信番組を制作し、本市の魅力を広く発信することで、インバウンド観光客の増加につなげてまいります。
さらに、錦帯橋下河原駐車場の段階的な移転や縮小を図るため、錦帯橋周辺に観光駐車場の整備を進めてまいります。
このほか、飛行艇ミュージアム(仮称)の整備につきましても、国への要望を続けるとともに、機運の醸成に向けて、官民一体となって取り組んでまいります。

企業誘致の推進・商工業の振興

企業誘致につきましては、雇用の創出や地域経済の活性化、更には税収の増加など、市全体に様々な波及効果をもたらすことから、岩国錦帯橋空港の利便性や温暖で住みよい環境といった本市の優位性を最大限に活用しながら、引き続き、積極的に推進してまいります。
また、今後更なる需要の伸びが期待されるIT・脱炭素などの成長産業の誘致にも力を入れ、産業構造の多様化を図ることで、商工業全般の振興と発展はもとより、若者をはじめとする幅広い世代の定住につなげてまいります。
さらに、市内の中小企業に対しては、生産性の向上に欠かせないデジタル技術の導入やその人材の育成に向けた啓発・支援を行うとともに、未就業者等に対しては、雇用に向けたデジタル技術の習得支援等を実施し、雇用の促進を図ってまいります。
加えて、県東部地域の産業振興の拠点施設として期待の大きい山口県東部地域産業振興センター(仮称)につきましては、令和9年度中の供用開始に向け、DX支援機能をはじめとした各機能の充実について、引き続き、山口県に要望してまいります。
このほか、物価高騰の影響を受けている市民や事業者を支援し、消費喚起による地域経済の活性化を図るため、プレミアム商品券の速やかな発行に努めてまいります。

中心市街地の活性化

中心市街地の活性化につきましては、令和6年度中に策定する「第3期岩国市中心市街地活性化基本計画」に基づき、にぎわいの創出に向けた継続的な取組を行うとともに、まちの集客力を高める「岩国駅前南地区第一種市街地再開発事業」への支援や、その再開発ビル内に一体的に整備する「にぎわい創出施設整備事業」などについても、官民が一体となり、岩国駅周辺の活性化につながるよう取り組んでまいります。

空港の利用促進

岩国錦帯橋空港につきましては、開港から13年目を迎え、令和7年中には累計利用者数が500万人に達することが見込まれ、堅調な利用状況にあります。
空港の利用促進につきましては、県東部地域の空の交通拠点として、ビジネスや観光等の利活用を促進するため、効果的なPR活動に取り組んでまいります。

農林水産業の振興

農林水産業の振興につきましては、本市の豊かな地域資源や特性を生かしながら、持続可能な農林水産業の振興を図ってまいります。
特に、農林水産業の将来を担う後継者や新規就業者を確保し育成するとともに、新規就業や施設整備に対する支援などに加え、小規模農家への支援に取り組んでまいります。
また、森林環境譲与税を活用し、適切な森林整備や木材利用の促進につながる取組を効果的に進めてまいります。

岩国ブランドの構築・シティプロモーションの推進

岩国ブランドの構築につきましては、充実した子育て支援策や英語教育・国際交流など、本市の地域特性や強みを生かした市独自の取組を含めた魅力的な施策を推進してまいります。
シティプロモーションの推進につきましては、ターゲットに合わせて多様なメディアを活用するとともに、「大阪・関西万博」や「東京ゲームショウ」などへの出展により、岩国ブランドの魅力を効果的にプロモーションすることで、本市の認知度や好感度の向上につなげ、関係人口の創出を図ってまいります。

移住定住の促進

移住定住の促進につきましては、本市への移住を検討している方に本市の魅力を体感していただけるお試し住宅やワーケーション施設の活用、移住コーディネーターによる移住相談の充実や魅力発信により、交流・関係人口の増加を図ってまいります。

地域資源を賢く使い、持続可能で快適に暮らせるまち(生活環境)

三つ目は、「地域資源を賢く使い、持続可能で快適に暮らせるまち」です。

幹線道路整備の促進

幹線道路につきましては、人と地域を円滑につなぐことによる生産性の向上、渋滞緩和や災害への対応、岩国錦帯橋空港や岩国医療センターへのアクセス向上などの観点から、岩国・大竹道路や藤生長野バイパスの早期開通と岩国西バイパスの早期実現に向け、官民一体となって、国や山口県に対し要望してまいります。
また、楠中津線について、第一期区間の令和7年度の完了を目指して整備を進めるとともに、引き続き、藤生長野バイパスへのアクセス道路の整備を行い、利便性の向上や生活環境の改善に取り組んでまいります。

生活道路の整備

生活道路につきましては、適切な維持管理を行うとともに、自動車や歩行者等の安全性や利便性に配慮し、地域の実情に応じた整備・改修を進めてまいります。
また、良好な住環境の確保や防災機能の向上を図るため、市街化区域や用途地域の狭あい道路の解消に向けて、道路改良に取り組んでまいります。

南岩国駅・新岩国駅の周辺整備

南岩国駅前地区につきましては、昨年、駅前広場や駐輪場などが完成し、また、鉄道やバスなどの様々な交通機能が整理され、利便性や安全性が飛躍的に向上しました。
今後は、道路、公園の整備や雨水排水対策などの都市基盤整備を進め、にぎわいの創出と定住の促進に向けた、土地区画整理事業に代わる新たなまちづくりに取り組んでまいります。
また、新岩国駅前広場につきましては、安全で利用しやすい広場となるよう、令和7年度末の完成に向けて、整備を進めてまいります。

公共交通サービスの整備

公共交通サービスの確保につきましては、全国的な課題となっている運転士不足に対応するため、令和6年度に引き続き、第二種運転免許を取得された方に対し、その取得費用を助成するほか、市内の交通事業者に、新たに運転士として就職された方に対し、奨励金を支給してまいります。
また、錦川清流線につきましては、引き続き、今後の在り方を検討していくとともに、錦川鉄道株式会社が実施する利用促進につながるイベント等についても支援してまいります。
さらに、本年10月には、鉄道資源を活用し、地域振興を図る自治体等が参加する「全国鉄道資源活性化サミット」を開催し、「とことこトレイン」をはじめ、錦川清流線を全国に発信してまいります。

公園緑地等の整備

公園緑地の整備につきましては、誰もが安心・安全に利用できるよう、都市公園施設長寿命化計画に基づき、老朽化した施設の更新に取り組むとともに、健康遊具の整備や樹木の健全性の確認などを計画的に進めてまいります。
また、愛宕山ふくろう公園において、障害のある子もない子も一緒に利用できるインクルーシブ遊具の活用を図っていくとともに、市立保育園においてもインクルーシブ遊具の整備を計画的に行うなど、共生社会の形成に向けた環境整備に努めてまいります。

水道・下水道の整備

水道の整備につきましては、周東町下久原の一部の地区において、水道未普及地域の解消に向けて取り組んでまいります。
下水道の整備につきましては、各処理区の面整備を着実に進め、川下地区や岩国地区をはじめとした未普及地域の解消に、引き続き、取り組んでまいります。

地球温暖化・エネルギー対策の推進

地球温暖化・エネルギー対策につきましては、温室効果ガスの排出削減や地域の脱炭素化を図るための啓発活動を推進するとともに、国が目標とする2050年カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向けて、市民や企業の皆様と共に取り組んでまいります。
また、公共施設における照明のLED化や電気自動車等の環境性能に優れたクリーンエネルギー自動車の普及を推進するとともに、公共施設への充電設備の整備についても、引き続き、民間企業と連携して進めてまいります。

誰もが安心・安全に暮らせるまち(安心・安全)

四つ目は、「誰もが安心して安全に暮らせるまち」です。

防災・減災対策の充実

防災・減災対策につきましては、引き続き、防災行政無線の屋内受信機の整備を進めるとともに、自主防災組織の活動を支援し、地域防災力の向上を図るなど、市民の安心・安全の確保に向けて取り組んでまいります。
また、大規模災害等が発生した場合における避難所の良好な生活環境を確保するため、必要な資機材の整備を行ってまいります。

浸水対策等の推進

浸水対策につきましては、排水路の改修をはじめ、ポンプ場や雨水調整池の整備を進めており、横山地区では、新たなポンプ場の建設を進めてまいります。
また、河川における堆積土砂の撤去や護岸整備等により、浸水被害を軽減するとともに、急傾斜地崩壊対策の推進により、土砂災害の防止を図ってまいります。

犯罪・事故の抑制

安心・安全対策につきましては、自治会に対して、防犯灯の設置費用や電気料金の助成を継続するとともに、防犯カメラの適正な運用を図り、犯罪や事故等の未然防止に努めてまいります。

米軍岩国基地安全対策の促進

米軍岩国基地の安全対策として、航空機騒音につきましては、昨年11月の空母艦載機の機種更新により、岩国基地において、国内で初めてF35-CやCMV-22オスプレイという新たな航空機が配備され、運用が開始されており、引き続き、実態の把握に努め、地域の実情に即した騒音軽減対策に鋭意取り組んでまいります。
このうち、これまで、国に対して重点的に要望を行ってきた、住宅防音工事の補助対象を事務所・店舗等に拡大することについては、現在、国において、居室以外の事務所・店舗等も含む住宅全体を一つの区画とする外郭防音工事の工法検討調査が実施されています。
このように、事務所・店舗等の防音工事について、国が具体的な施策の検討に着手されたことは、制度の実現に向け、大きな前進であると受け止めています。
さらに、今後予定されている第一種区域等の見直しに際しては、年間のW値だけでなく、空母艦載機部隊の滞在時や、外来機の飛来など、米軍の運用によって大きく影響を受けている騒音状況を踏まえ、地域の実情に即した見直しを行うよう、継続して国に対し要望してまいります。
米軍関係者による事件・事故等の防止につきましては、引き続き、これを未然に防ぐための啓発活動などの取組を行うとともに、国や米側に対しても実効性のある対策の実施に万全を尽くすよう、しっかりと求めてまいります。

豊かな心を育む教育文化のまち(教育・文化)

五つ目は、「豊かな心を育む教育文化のまち」です。

地域と一体となった教育力の向上

地域と一体となった教育力の向上につきましては、コミュニティ・スクールや地域協育ネットを基盤とした小中一貫教育の仕組みを生かし、学校、家庭、地域の連携・協働により、子供たちの豊かな学びや育ちを支援してまいります。
また、部活動の地域移行につきましては、昨年3月に策定した「岩国市学校部活動の地域移行に向けた取組方針」に基づき、本市の子供たちが将来にわたりスポーツ・文化活動の機会を確保できるよう、中学生の部活動の受皿となる地域クラブの運営の在り方等について検証を行い、運営モデルの構築を図ってまいります。

教育環境の充実

教育環境の充実につきましては、引き続き、トイレの洋式化や特別教室への空調整備に取り組んでいくとともに、老朽化した施設の改築や改修を進めてまいります。
また、GIGAスクール構想により市内の小・中学校に整備したタブレット端末について、更新時期を迎えることから、中学校から順次、新たな端末の整備を進めてまいります。

文化・芸術活動の推進

文化・芸術活動の推進につきましては、岩国市文化芸術振興財団等と連携し、「文化芸術創造都市」の実現を目指してまいります。
また、美和文化会館の改修など、市民が文化・芸術に気軽に触れ、多彩な活動を創造・発信できる環境づくりを進めてまいります。

文化財の保存・活用

文化財の保存・活用につきましては、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた取組として、国内有識者や海外専門家から得られた、これまでの知見を踏まえ、世界遺産登録推薦書素案を作成してまいります。
また、市民や山口県、関係団体と連携しながら、世界遺産暫定一覧表に記載されることを目指して、文化庁に対し積極的な働き掛けを行ってまいります。
加えて、国の重要文化的景観に選定された、横山・岩国にまたがる城下町地区において、文化的景観の価値を保存・継承するため、岩国高校記念館の改修を進めるとともに、歴史的な資源の活用による城下町のにぎわいの創出に取り組んでまいります。
このほか、令和7年度から岩国徴古館の改修設計を行い、新たな博物館の建設と連携を図りながら、整備を進めてまいります。

生涯学習の推進

生涯学習の推進につきましては、本市の生涯学習の中核となる中央公民館の令和8年度の供用開始に向け、引き続き、整備を進めてまいります。

スポーツ活動の推進

スポーツ活動の推進につきましては、「全国高等学校総合体育大会アーチェリー競技大会」やGPSアプリを活用したナビゲーションスポーツイベントを開催し、市民が気軽にスポーツに親しめる機会の創出に取り組んでまいります。
また、愛宕スポーツコンプレックスなどを活用したスポーツ合宿の誘致促進を図り、更なるスポーツ交流人口の拡大を図ってまいります。
県立武道館の整備につきましては、建設工事が開始されることから、引き続き、令和10年度の供用開始に向け、山口県と連携してまいります。

国際交流の推進

国際交流の推進につきましては、本市の地域特性を生かし、英語教育や国際交流が充実した「英語交流のまちIwakuni」の実現を目指し、取り組んでまいります。
この取組の一つとして、JR岩国駅東口に拠点施設として開設した「英語交流センターPLAT ABC」において、利用者のニーズをくみ取りながら、英語の学び・学び直しや日本人と外国人が楽しく交流できる場の提供に努めてまいります。
また、姉妹都市交流については、沖縄県宜野湾市との姉妹都市の提携や、鳥取県鳥取市との姉妹都市提携30周年記念事業の実施、米国ワシントン州エベレット市への青年海外派遣事業の実施など、国内外における相互交流の推進に努めてまいります。

多様性を尊重し、支えあいと協働で暮らしを支え、育むまち(市民協働・多様性)

六つ目は、「多様性を尊重し、支えあいと協働で暮らしを支え、育むまち」です。

地域づくり活動の促進

地域づくり活動の促進につきましては、令和6年度に策定した「岩国市地域づくり協働推進計画」に基づき、各事業を推進するとともに、地域活動の拠点となる集会施設の整備をはじめ、自治会や市民活動団体などの多様な主体が協働し、地域課題を解決するための支援に取り組んでまいります。
また、いわくに市民活動支援センターを市民活動の拠点として、支援サービスやサポート事業の充実を図り、更なる市民協働体制の強化を進めてまいります。
さらに、過疎化や少子高齢化の進行が著しい中山間地域においては、地域をけん引するリーダー等の人材育成、地域おこし協力隊や集落支援員といった外部人材の活用などにより、地域の課題解決と活性化を図ってまいります。

人権啓発・男女共同参画の推進

人権啓発につきましては、人権に対する意識や知識、実践力を高める取組を継続するとともに、多様性を受け入れるための理解と配慮の促進を図ってまいります。
また、「第4次岩国市男女共同参画基本計画」に基づき、男女共同参画社会の実現に向けた各種施策を総合的かつ計画的に推進してまいります。

時代や市民ニーズに合った行政経営に取り組むまち(行政経営・デジタル改革)

七つ目は、「時代や市民ニーズに合った行政経営に取り組むまち」です。

市民サービスの向上

市民サービスの向上につきましては、これまで電子申請手続の拡大や申請書作成支援システム、遠隔接客システムの導入など、行政手続のオンライン化に取り組んできました。
引き続き、キャッシュレス決済の普及促進や申請書作成支援システムの利用手続数の増加を図るとともに、戸籍などの郵送請求の完全電子申請化など、「行かなくてもいい・迷わない・書かなくてもいい」窓口の取組を推進してまいります。
また、市立保育園や幼稚園等の利用者向けアプリの導入など、情報通信技術を活用することで利用者の利便性の向上に努めてまいります。
さらに、デジタルに不慣れな高齢者などに向けたデジタルデバイド対策にも、引き続き、取り組んでまいります。
このほか、限られた経営資源で新たな行政課題に対応していくため、民間活力の有効活用やデジタル技術を活用した業務改革の実施、AIなど新たな技術の積極的な活用を検討してまいります。

財政基盤の強化

財政運営につきましては、歳入では、賃金上昇の流れができつつあり、景気が緩やかに回復していくことが見込まれ、市税収入は、前年度を上回る見通しです。
一方、歳出では、増大する社会保障費をはじめとして、老朽化する公共施設等の維持管理費や長寿命化対策費、行政サービスのデジタル化の推進等に歳入の伸びを上回る多額の財源を要することなどから、今後も厳しい財政状況が続くものと見込まれます。
こうした中においても、総合計画に沿ったまちづくりの施策を着実に実施していくため、歳入の確保や歳出の合理化などに取り組み、財政基盤の強化を図ってまいります。

公共施設マネジメントの推進

公共施設マネジメントの推進につきましては、公共施設の再編・再配置を進めるなど、次世代に負担をかけない最適な公共施設を目指し、取り組んでまいります。
また、今後も維持していく施設については、施設の点検結果を踏まえた「公共施設保全計画」を策定し、計画的な保全や改修等を進めてまいります。

むすびに

以上、令和7年度の主な取組について申し上げました。
本市は、来年3月、平成18年の市町村合併から20年を迎え、新たな段階へと歩み始めます。
これまでのまちづくりの成果を礎としながら、私自身が先頭に立ち、市民目線を大切に、時代の変化とともに、しなやかに進化していくという理念の下、市民の皆様と一緒になって、新たな時代を創造していきたいと考えています。
岩国の輝かしい未来を切り開き、更なる発展を目指して、一人一人が生き生きと暮らせるまちづくりに取り組んでまいります。
議員各位をはじめ、市民の皆様には、御支援と御協力を賜りますようお願いを申し上げまして、私の施政方針といたします。