景観重要建造物とは、地域の魅力向上と個性ある景観づくりの核となっている建造物が、時間の経過とともに形を変え、失われることを防ぎ、周辺の景観が大きく損なわれることがないように、景観法の規定により、景観計画の方針に即し、景観行政団体の長が指定するものです。
指定番号 | 第1号 |
---|---|
指定年月日 | 平成29年2月14日 |
所在地 | 岩国市横山3丁目 |
所有者 | 岩国市 |
外観の特徴
岩国城は、要害の地・横山の山頂に築いたため別名『横山城』とも呼ばれています。関が原の合戦後、岩国に国替えとなった吉川広家公によって、6年半の歳月(慶長8年・1603年~慶長13年1608年)をかけて築城された城です。横山の山頂に天守閣を築き、その麓に政務を執るための居館を構えます。そこには(横山)上・中級の役付きの武士に住まわせ、錦川を自然の外堀として、対岸の岩国に中・下級武士や町人・職人を住まわせ城下町を作りました。関が原の合戦以後に建てられた山城は珍しく、3層4階(3層の上には物見が置かれていた)の白亜の天守は、4階と物見が各下階より張り出した形をした珍しいもので、エキゾチックな桃山風南蛮造りとなっていました。しかし、江戸幕府の『一国一城の令』により築城からわずか7年(元和元年・1615年)に取り壊されました。
名橋錦帯橋は、岩国城が横山に築城され横山・岩国の城下町を繋ぐものとして架けられたものなので、その起源である岩国城の姿を見ることができないことに物足りなさを感じて、岩国市民・岩国出身のハワイ在住同胞の方々『ハワイ岩国市人会』・市内各工場などからの多額の募金により、戦後、再建されました。再建にあたっては、東京工業大学教授・藤岡道夫博士が古地図をもとに設計し、山頂要害跡に往時と同様の桃山風南蛮造りの外観復元による四重四層の鉄筋コンクリートで、その位置は、錦帯橋附近や麓からの景観を考えて、旧天守台から南へ50mの場所にあります。
指定番号 | 第2号 |
---|---|
指定年月日 | 平成29年2月14日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 岩国市 |
外観の特徴
國安家住宅は、江戸期に髪付け油の製造・販売を営んでいた『松金屋』によって建てられました。婦人の洋装化により『松金屋』は、衰退し、昭和10年國安氏が購入し、醤油製造業を営んでいましたが、大手醤油店の進出により製造業は中止し、以後、國安氏が居住用として所有・利用していましたが、平成26年管理が困難とのことで、市が買い取り、平成27年度に外観及び内装の改修を行ったところです。
國安家住宅は、客座敷の間、座板裏面に嘉永3年の墨書があることから、その頃に建てられたと想定しています。建物母屋の外観は、切妻造、平入り棧瓦葺き、軒が高く突端に鬼板瓦を中2階建て、大壁造りで全体が防火に強い土壁漆喰塗りで前面に庇を設けています。1階は、南側2.8mの格子を除くとすべて開放可能でぶちょう(撥ね上げ戸)、大戸口を備えていたと考えられます。また、中2階正面壁に空けられた3本の横格子の虫籠窓は、民家には珍しいものです。内部は、通り土間が吹き抜けとなっており、太い梁が縦横に架け渡し、豪壮な構えとなっています。
建築後幾度か改造されていますが、全体的には旧状を良く保っており、岩国城下町を代表する町家建築の面影を良く留め、平成12年には国の登録有形文化財に登録されています。
指定番号 | 第3号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 |
岩国市横山2丁目 |
所有者 | 岩国市 |
外観の特徴
門は家臣、使用人の部屋である長屋と門扉とを棟続きにした長屋門の型式を採る。建物は入母屋造であり、屋根は(軒)丸瓦と(軒)平瓦を交互にふく「本葺」であり、上級武士の門としての風格を備えている。長屋門の基礎は石積によってかさ上げがなされており、浸水時への対応もなされている。
指定番号 | 第4号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市横山2丁目 |
所有者 | 公益財団法人 |
外観の特徴
18世紀末の昌明館としての建物は長屋2棟と門が残存している。長屋は入母屋造の建物で、石積の基礎を有した浸水に対する造りとなっており、門は薬医門で、かさ上げされた地盤の上に建つ。敷地内に建つ収蔵庫は切妻造の2階建て土蔵で、基礎は石積によりかさ上げされ、浸水に対する備えが特徴的である。
指定番号 | 第5号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市横山2丁目 |
所有者 | 岩国市 |
外観の特徴
徴古館の建物は、れんが造2階建ての寄棟造瓦葺で外壁には鉱滓タイルを使用し、ドイツ古典主義の影響がみられる意匠は正面の列柱や内部の柱に特色がある。収蔵庫は2棟ともに木造2階建て、切妻造、桟瓦葺で、石積み三段の背の高い基礎は、錦川の氾濫や湿気に備えたものである。敷地境界は生垣による植栽が施され、通りからは敷地内の桜等の樹木の緑とともに、四季折々に変化する彩りとあわせ、重厚感のある外観を形成しているのが特徴である。
指定番号 | 第6号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市横山2丁目 |
所有者 | 岩国市 |
外観の特徴
建物は寄棟造で、平屋建てと木造2階建てをL字形に配した事務室棟、切妻造木造2階建ての倉庫、切妻造木造平屋建ての便所を設けており、いずれも桟瓦葺である。
指定番号 | 第7号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市横山2丁目 |
所有者 | 岩国市 |
外観の特徴
建物は木造平屋建て、瓦葺入母屋造で、屋根は桟瓦でふかれているが、外観に洋風の意匠を取り入れた和洋折衷となっている。吉香公園内のゆったりとした広場の中に立地し、公園を訪れる人たちに、近世に入り学校が立地した歴史を今に伝える外観を有した施設である。
指定番号 | 第8号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市横山1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
建物は木造2階建て、平入屋根の町家であり、外観は1階部分に格子を設けている。土手上に曳家される前は錦川増水の折に、建物まで水が上がることがあったため、建物内部には、家財道具を小屋裏に上げる空間が設けられていた。横山地区の土手に面して建ち、錦川に間口を向けるとともに、2階に広い開口部(窓)と手すりが設けられ、川や錦帯橋を眺める暮らしを伝える外観が特徴である。
指定番号 | 第9号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市横山1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
建物は木造2階建て、平入屋根の町家であり、外観は1階部分に格子を設けている。土手上に曳家される前は錦川増水の折に、建物まで水が上がることがあったため、建物内部には、家財道具を小屋裏に上げる空間が設けられていた。横山地区の土手に面して建ち、錦川に間口を向けるとともに、2階に広い開口部(窓)と手すりが設けられ、川や錦帯橋を眺める暮らしを伝える外観が特徴である。
指定番号 | 第10号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市横山1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
建物は木造2階建て、平入屋根の町家であり、外観は1階部分に格子を設けている。土手上に曳家される前は錦川増水の折に、建物まで水が上がることがあったため、建物内部には、家財道具を小屋裏に上げる空間が設けられていた。旭町では唯一、敷地内に蔵を有している。横山地区の土手に面して建ち、錦川に間口を向けるとともに、2階に広い開口部(窓)と手すりが設けられ、川や錦帯橋を眺める暮らしを伝える外観が特徴である。
指定番号 | 第11号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市横山2丁目 |
所有者 | 吉香神社、岩国市 |
外観の特徴
国指定重要文化財である吉香神社については、その付属屋及び塀とともに、周辺にはやぐら跡に絵馬堂として建てられた錦雲閣、吉川家に仕えた家臣達を祭る褒忠社、能舞台、土蔵造の倉庫がある。これらの外観は、横山地区のシンボル的な景観形成を担う吉香神社と一体となった、このエリアの景観を特徴づける建造物群となっている。
指定番号 | 第12号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
錦帯橋へ続く主要街路である大明小路沿いに、薬医門が構え、敷地境界は高い塀により囲まれ、塀越しに庭木と主屋がかいま見える。主屋の建物は切妻造の2階建てで、大明小路側に2階窓を有するなど、構造の点から町家を移築したものと推測されるが、玄関に式台を設ける等、武家住宅の様式に改修した箇所もみられる。
指定番号 | 第13号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
錦帯橋へ続く主要街路である大明小路沿いに、薬医門が構え、敷地境界は小屋根付白壁造の高い塀により囲まれ、塀越しに庭木と主屋がかいま見える。主屋は木造2階建て、入母屋造で、建物の裏側に2階を設け、表側は1階まで屋根をふき下ろす大屋根が特徴である。
指定番号 | 第14号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
錦帯橋へ続く主要街路である大明小路沿いに、薬医門が構え、敷地境界は小屋根付白壁造の高い塀により囲まれ、塀越しに庭木がかいま見える。主屋は敷地奥に配されるが、大きく育った庭木の樹林により、通りからの外観としては見えない。
指定番号 | 第15号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
錦帯橋へ続く主要街路である大明小路沿いに、薬医門が構え、敷地境界は小屋根付板塀の高い塀と車庫入口により囲まれ、塀越しに庭木と主屋がかいま見える。主屋は木造2階建てで、戦前に一部改造が行われているが、建物の裏側に2階を設け、表側は1階まで屋根をふき下ろすなど、大屋根を特徴とする武家住宅の特色を残す。主屋に後年に増築された洋館部分には擬洋式が見られ、近世から近代を経た住居様式の変化が外観にも見られる。
指定番号 | 第16号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国2丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
木造2階建ての建物で、外壁は人造石洗い出しに目地を入れ石造に似せた建物で、近代に建てられた各地の写真館と同じくファサードの意匠を重視した擬洋風のいわゆる看板建築物である。南面の外観には、2階の撮影室に大量の自然光を取り入れるための明かり屋根が設置されているが、表の擬洋風ファサードからはうかがい知られないよう工夫がされており、当時の建築技術の巧みさを示す。
指定番号 | 第17号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
建物は切妻造平入の木造2階建てで、町人地の中心である本町通りの特色である、間口の大きな大店である。通りに面するミセ部分は土間に改築され、ガレージや展示場として活用されている。表の柱にはぶちょうや大戸建具の痕跡がそのまま残り、またミセや仏間の痕跡もよく残っている。現在は、内部は続き間の座敷、2階、箱階段がそのまま残り、庭園や井戸も当時の様子を残している。
指定番号 | 第18号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国2丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
建物は切妻造平入の木造2階建てで、間口が狭く奥に長い屋敷割りの土地に建つ典型的な町家。現在の建物のファサードは、前面を自転車販売店としての壁面に増築している、いわゆる看板建築である。間口の狭い短冊状の敷地は、岩国七町では多く見られ、江戸時代から現在まで事業者が入れ替わりながらも、町家の建物に手を入れながら営みが持続されてきた外観を有している。
指定番号 | 第19号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
建物は木造の切妻造平入、桟瓦葺の中2階建てで、大正時代の改築の際に展望用に設けられた3階が付されている。外観では屋根の棟高が異なる3、4軒の町家が並ぶように見えるが、内部は一体の建物であり、1階部分は土間の全面開口、ガラス戸、出格子、格子戸、両開きの木門と多様な様式で構成されている。また、魚町から寺町に向けて一体的な土地利用がなされており、寺町側には、かつて醤油醸造所であった広い空間を利用した加工施設や事務所が立地している。このうち加工施設は、寺町通りに面した建物配置となっており、寺町の通り景観を特徴づけている。
指定番号 | 第20号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
建物は桟瓦葺、入母屋造の木造3階建てで、錦帯橋側に間口を向けており、特徴的な外観は橋詰めでのアイストップとなっている。2階と3階は錦川を眺める居室や座敷で、開口部等の設えに川との関わりを見せる外観となっている。
指定番号 | 第21号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
建物は木造2階建てで、通りの突端にあるため変形だが、もとは入母屋造平入の間口を店とする町家の構成である。増改築を経て現在の特徴ある外観になっており、1階は大きな開口部を有し、2階は錦川を眺めることができる腰窓が設けられている。
指定番号 | 第22号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
建物は木造2階建てで、道路沿いの棟は切妻造平入である。錦川沿いの道路に面した建物配置で、食事処として使用する1階は間口に沿って大きな開口部を有しており、2階は錦川を眺めることができる腰窓が設けられている。
指定番号 | 第23号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
ナカドテ側は平入り町家の造りであり、ナカドテ側の建物からカワドテ側にかけて大屋根(切妻屋根)がかかり、川側では一部、3階の部屋が増築されている。ナカドテ側の1階土間部分はガレージとしても使用され、地下にナカドテの石垣が残る。カワドテ側の2階には、錦川を眺める部屋とバルコニーが設けられており、川を眺める暮らしが継承されている。
指定番号 | 第24号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
ナカドテ側は平入り町家の造りであり、ナカドテ側の建物からカワドテ側の建物にかけて大屋根(切妻屋根)がかかり、前後2棟から成る痕跡が段差や天窓の構造に残っており、地下にはナカドテの石垣が残る。カワドテ側の2階には、錦川を眺める部屋とバルコニーが設けられており、川を眺める暮らしが継承されている。
指定番号 | 第25号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
ナカドテ側は厨子2階、平入り町家の造りであり、ナカドテ側の建物からカワドテ側にかけて大屋根(切妻屋根)がかかり、前後2棟から成る痕跡が段差や天窓の構造に残っており、地下にはナカドテの石垣が残る。カワドテ側の2階には、錦川を眺める部屋とバルコニーが設けられており、川を眺める暮らしが継承されている。
指定番号 | 第26号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
ナカドテ側はかつて厨子2階建てだったが、子供部屋が必要になると2階部分を作り替えて正式な居室階とし、2階座敷の客間と物見台も作られた。ナカドテ側の1階土間部分はガレージとして、地下は大工仕事の場として使用され、地下にはナカドテの石垣が残る。カワドテ側の2階には、錦川を眺める続き間座敷とバルコニーが設けられており、川を眺める暮らしが継承されている。
指定番号 | 第27号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年7月26日 |
所在地 | 岩国市岩国4丁目 |
所有者 | 椎尾八幡宮 |
外観の特徴
社殿は三間社流造で平入り、屋根は切妻造で、正面には唐破風屋根が付されており、銅板葺となっている。社殿の左右に脇殿が付き、切妻造の屋根で、同じく銅板葺である。境内には祇園社、天神社などの摂社があり、規模は小さいながらも流造となっている。
指定番号 | 第28号 |
---|---|
指定年月日 | 令和4年12月26日 |
所在地 | 岩国市岩国1丁目 |
所有者 | 個人 |
外観の特徴
錦帯橋に続く主要街路である大明小路に向けて薬医門を構え、その東側は連続する土塀によって囲まれ塀越しに庭木と主屋がかいま見え、武家地らしい景観を維持している。主屋の建物は入母屋造の木造2階建てで、建物の裏側に2階を設け、表側は1階まで屋根をふき下ろす大屋根が特徴で、横山地区の旧目加田家住宅(重要文化財)と同一の形式であり、岩国の武家屋敷の特徴を有している。