【ソーシャルネットワークがつなげる同級生の輪】
(1) 夢の実現に向けた岩国高校の同級生の輪
私はFacebookを利用して大学の研究内容を発信したり、様々な情報を得る場として活用しています。Facebookを始めて間もなく、岩国高校を卒業してから何十年も会っていなかった同級生たちとつながることができました。中には、高校時代には面識がなかったのにFacebookで初めて知り合った同級生もいます。その中のお一人が、株式会社ツバメイータイムの代表取締役の山本朋宏君です。今回、白崎八幡宮の敷地内に新規開設されたツバメイータイム社の「EVラボ」を訪ねました。
◆株式会社ツバメイータイムホームページ:http://e-time.tsubame-group.co.jp/<外部リンク>
ツバメイータイム社は岩国発のベンチャー企業で、電動バイクをはじめとする電動モビリティのメーカーです。電動モビリティは当然、電気で動くわけですが、石炭などの化石燃料で発電した電気で動かしたのでは意味がありません。風力や太陽光などの再生可能エネルギーの電力で動かしてこそ、カーボンニュートラルの実現に貢献できるのです。電動モビリティを手掛ける山本君と再生可能エネルギーを研究する私が協業することで、持続可能なモビリティを実現できるのではないかと考えています。
カーボンニュートラルの実現や次世代のモビリティの構築に全力で取り組む山本君の挑戦に私も全面的に賛同し、ツバメイータイム社の顧問を拝命するとともに、同じくFacebookでつながった同級生も一緒に、各自の専門分野の立場からツバメイータイム社をサポートしています。私のHydro-VENUS技術で発電した電力を使ってツバメイータイム社の電動モビリティを動かす、そんな夢を実現すべく、岩国でつながったご縁をきっかけに模索を続けているところです。
↑ ツバメイータイム社にて山本社長と談笑
↑ ツバメイータイムの電動モビリティに試乗
(2) 連載の最後に
ライフワークとなった私の研究テーマと岩国とのつながりを5回にわたってご紹介してきました。研究の原点となった岩国の地を訪れることで、少年時代の経験がその後の人生に大きな影響を及ぼしたこと、それらを経験する環境が岩国に存在していたのは幸運であり、人生の宝であることを改めて認識させられました。
地球温暖化を安全なレベルに抑えるためには、過去からの二酸化炭素の総排出量に上限値が存在し(これをカーボンバジェットと言う)、現在のペースで二酸化炭素を排出し続けると、あと10年程度で上限値に達すると予想されています。つまり、これからの10年間がその後の人類の運命を決定する極めて重要な10年となるわけです。私もあと10年程度で定年を迎えることになりますが、残されたわずかな時間、岩国が育んでくれた宝物を最大限に活かして、カーボンニュートラルの実現に貢献していく所存です。
比江島 慎二