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山賊と木下耕香園(きのしたこうかえん) 牛来(ごらい)千鶴さん その4

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年4月1日更新

岩国やその近郊に住んでいてここを知らない人は、きっといないでしょう。
「山賊」超有名なお店ですね。

 

山賊の写真
 

幼少の頃、玖珂に面白い店が出来たというので、両親に連れられて行ったのが初めて。
昭和46年開店らしいので、8歳の時ですね。(あ、歳がバレた)
その時の驚きは今でも忘れません。
囲炉裏のある板間の部屋で、梁のある天井や壁の天狗のお面などをキョロキョロ見ながら待っていると、ドドーンと運ばれてきたあの大きな「山賊むすび」。
両手で包み切れなくて、ポロポロ米粒が落ちそうになるのを一生懸命、手のひらで支えながらかぶりつくと、中からなんと、鮭、こんぶ、梅3種の具材が。今ではコンビニでも見かけるようになりましたが、こんな大きなおむすび、山賊が初でした。

 

山賊焼きと山賊むすび


 
その「山賊むすび」に、長い竹串を掴んで豪快に食べる「山賊焼」は、相性ピッタリ。
大きなおむすびは、頼めば半分に切ってくれるので、自信の無い方は、誰かとシェアするといいかもです。

 

山賊焼きを作っている様子


 
岩国市中心部から車で30分ほどの距離。大人になってからは、お決まりのデートコースにもなり、青春時代の思い出もたくさんある「山賊」。
また、結婚してからは、子どもを連れて父母や姉家族ともよく一緒に訪れました。
開業時からある「いろり山賊」に加え、現在は、大きなかまどのある「竈(かまど)」、城郭のような「桃李庵」があり、益々にぎわっています。

 

店内の様子


 
90歳を超えた母にせがまれて、今でもちょくちょく訪れますが、その際は人ごみを避け、一番人気の「いろり山賊」正面から左奥に突き当りまで進み、「桃李庵」へ。高い天井の梁が見事な広い畳部屋で、鎧兜、提灯などがそこかしこに飾られています。
椅子も用意されているので、高齢の母も安心して食事が出来ます。

 

店内の様子(提灯)
  

おはぎが並べられている写真

 
「山賊むすび」に負けず劣らずの迫力、「おはぎ」と「草餅」。
ガッツリ食事をした後でも、見るとやっぱり食べたくて、お土産に買って帰るのが私のお決まりです。

「山賊」まで来たら、ちょっと足を伸ばして立ち寄るのが「木下耕香園」。
車で12分ほどです。
シクラメンなど鉢花の生産農家が営んでおり、モノの良い鉢がお手頃に手に入ります。

 

木下耕花園の写真
 

花鉢のほか観葉植物や多肉植物など種類も豊富。
お買い得品を探して広い店内をウロウロするのも楽しみの一つです。

 

木下耕花園の写真
 

実はこちらは姉夫婦の店。
まだ姉夫婦が新婚だった頃に、兄が手作りで建てたビニールハウスがお店です。
こんな大きなビニールハウスを素人が作れるのか!と当時はビックリしましたが、出荷用の鉢花や野菜の苗などを生産するビニールハウスも全て手作りと聞き、農家ではあたりまえなのだと理解しました。

 

花の写真


 
あれから30年余も経った現在、店では姪っ子が大活躍。
接客のほか、2トン車を運転しての仕入れ、寄せ植えの鉢づくり、地元媒体への出稿など、さまざまな役割を担っています。

 

木下耕花園の写真


 
周囲は、山と川、そして田んぼ。
こどもたちは川で釣りをして遊び、夏まつりには花火が上がります。
店の近くを運転していると、夕日に輝く稲穂があまりに美しくて、思わず車を停めてカメラのシャッターを切ったことも。

 

木下耕花園周辺の写真


休日前になるとつい、観光地や女子旅におススメなスポットなどをキーワードに、行き先を探してしまいますが、ガイドブックには載っていない日常の中にきっと、素敵な場所やものがたくさん埋もれているのではないでしょうか。

カメラ片手に、思い出の場所を訪ねる一日。
取材を通して、目の前にある大切なものに気づかされたような気がします。
本当に楽しかったです。
素敵な”旅”をありがとうございました。

 

牛来さん写真

 

                                         牛来千鶴