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周山制洋さんの『私の岩国』ロケ風景

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年4月1日更新

 今回ご登場いただいたのはアナウンサーの周山制洋さんでした。

 

スタジオでの写真

 

 テレビでは落ち着いた雰囲気で、ニュースを読んでいらっしゃる印象を持っていましたが、取材中は終始、軽妙な語り口でご自身の体験などを話していただき、大変楽しい時間を過ごすことができました。

 

【祖父母宅】
 かつて周山さんがバスに乗って遊びに来ていたという祖父母のお家。今では近くまで広い道路が通じていますが、当時はずっと山道だったということで、「山奥の祖父母の家」というタイトルのとおり、山奥に来た!という実感があったのだと思います。敷地内に水を引かれていましたが、この水は今もとてもきれいなまま。岩国市で日本酒が特産である理由を感じることができました。

山道写真

 

【椙杜八幡宮】
 周山さんの通われていた高森小学校のすぐそばにある椙杜八幡宮。その鎮守の森は「椙杜八幡宮樹林」として自然記念物に指定されています。周囲は平地なのに、ここだけ小高くなっていて、急な石段が社殿まで続いています。拝殿の中に飾られている絵は、周山さんの子供時代からあるそうです。

椙森八幡宮写真

 

【高森高等学校】
 周山さんの母校である高森高等学校ですが、実は周山さんは直前まで訪問をためらっておられました。高校時代、自分の進みたい道を決められず、無為に日々を過ごしてしまったという後悔を感じておられたようで、本文中にも「どこか記憶から遠ざけたい存在」と書かれているほどです。しかし大村校長先生が丁寧に対応してくださり、現在の学校の様子や生徒さんたちの話をしていただくうちに、だんだんと周山さんの心もほぐれていくようでした。そしてなんと50年前の教室がまだ残っているということで、そちらに向かうことに。現在は教室ではなく会議室として使用されているそうですが、窓枠や黒板に当時の面影を見つけて、周山さんは懐かしそうにされていました。その後、校内を歩いて回りましたが、周山さんは当時の思い出が去来するのか、しばしば立ち止まって想いにふけっておられました。

高森高校写真

 

【久田橋】
 周東町を流れる島田川と東川が合流する地点にかかる久田橋。周山さんが幼少期に泳いだりアユを獲ったりされていた場所です。周囲を見渡せば、玖西盆地を囲む山々を、ぐるりと見ることができます。この風景が印象的だったので、周山さんの「私の岩国」の冒頭を飾るカバー写真として使用しました。島田川の川べりに立つ周山さんの背景に、高森小学校、高森高等学校、そして鞍掛山と蓮華山が写る一枚です。

玖西盆地の風景と周山さん

 

 周山さんが大学進学を機に岩国を離れて、半世紀以上が経ちました。思い出の地を巡るというこの企画ですが、本文中で周山さんも書かれているとおり、思い出の中の風景がそのまま残っているところは、そんなにありませんでした。「去りゆく一切は比喩に過ぎない」という言葉がありますが、今回、周辺の山々の光景が本文中に頻繁に登場するのは、それが数少ない、変わらない景色だったからだと思います。
 その一方で、第7回「旧友と故郷に引き戻されて」では、ご友人の方々が登場します。その写真が白黒の昔のものではなく。カラーの「今」の写真であったことに、50年以上経った現在も続く、絆が感じられました。そういった関係性も含めて「ふるさと」岩国を語っていただいた周山さん、「ああ、こういう『私の岩国』もあるのだな」、と逆に教えられたような気がします。

 実は周山さんは令和3年1月限りで、NHKを定年退職されましたので、この「ロケ風景」をお届けするころには、すでにフリーな身分になっておられます。
 取材中に今後のご予定を伺うと、大学の非常勤講師やNHK文化センターで講習を受け持たれるということで、テレビではお顔を拝見できなくなりますが、まだまだ忙しい日々が待っていそうです。

 長年培ってこられたスキルを活かして、後進の育成など、これからのますますのご活躍を期待しています。今回はありがとうございました。