高校卒業後の昭和58年に早稲田大学に入学しました。実は早稲田大学は錦帯橋と深いつながりがあるのをご存知でしょうか?
錦帯橋の維持管理のための強度試験は、昭和38年に早稲田大学に委託したことから始まり、それ以来5年毎に早稲田大学の橋梁工学の研究室がその任を担ってきました。私が大学院在学中の昭和63年にその強度調査が実施されたのですが、一つだけエピソード(裏話)を紹介します。
あるとき、強度試験をしていた堀井教授(故人)に呼び出され、「君は岩国高校出身だったね。岩国高校の女子学生さんは真面目ですか?」と聞かれました。実は、強度試験をする際に、岩国高校の学生が実験荷重として橋の上に乗るのですが、その年は女子学生が多かったようで、実験荷重(自称の体重)の値が信頼できるか迷ったみたいでした。
もちろん「岩国高校の学生は真面目で、自分の体重を過少申告することは、ほとんどありません」と答えました。内心は不安でしたが・・その後問題は発生しなかったので大丈夫だったと思います。
岩国高校の校章は錦帯橋をイメージしており、女子学生は入学年によって異なる色のブローチがありました。
次の写真は堀井教授が岩国高校から感謝状ともに寄贈された岩国高校の校章セットです。「貴君は岩国高校出身なので」との理由で、大切な記念品を恵贈いただきました。裏書には「森本章倫大兄 恵在 平成5年8月第8回錦帯橋強度試験記念 堀井健一郎」と書かれており、私の宝物となっています。
(岩国高校の校章セット)
2019年はちょうどその調査年にあたり、12月に錦帯橋に訪れたとき橋梁はシートに覆われ、老朽調査と保全工事が行われていました。
一般客には少し残念な風景ですが、私にとって小学生から続いた錦帯橋とのつながりが思い出され、とても懐かしい感じがしました。
(錦帯橋の老朽調査)