今回、『私の岩国』に登場していただいたのは、岩国市出身の小説家・樋口明雄さんでした。
10月上旬。山梨県からのロングドライブを経て、樋口さんが愛犬ココとともに岩国に帰ってこられました。(お帰りなさい!)
午前9時 岩国中学校
校長室で懐かしい卒業アルバムをめくったり、在校生からの質問を受けたり、校内を見学したり。
予定を越える長時間の滞在となりましたが、サインまで書いていただき、校長先生をはじめ、中学校は大変喜んでいました。
樋口さんも懐かしく、楽しい時間を過ごされていました。
午前10時30分 牛野谷町
樋口さんが育った牛野谷町では、従兄弟の皆さんに会うことができました。
岩国を舞台にした自伝的小説『風に吹かれて』に出てくる水路の話など、皆さんと歩きながら、お話を聞くことができました。
その間、ココは車の中でおりこうにしていましたね。
午前11時30分 竜口、鳴子岩
やっと外に出ることができたココと一緒に錦帯橋周辺に。ともに岩国を舞台とした小説『風に吹かれて』と『ダークリバー』で登場した鳴子岩と竜口。錦川で川魚のライズを眺めながら、フライフィッシングの話などしてくださいました。
元々知っている場所なのに、小説を読んだ後に訪れてみると、いつもと違った場所に来たような、そんな印象を受けました。
午後1時30分 米軍基地付近、井堰
米軍基地へ続く道。日本で2番目に短い国道で思い出の映画館跡を探しました。
続いて井堰へ。外に出ることができたココも嬉しそう。樋口さんと一緒にハヤやゴリを探していました。
実は取材の途中で岩国市中央図書館へ寄っていただきました。
図書館の展示コーナーにイラスト入りサインを書いていただきパシャリ。
ちょうど図書館に職場体験に来ていた中学生が実は作家志望で、ここでも質問に答えていただきました。
「小説家になるにはどうしたらいいのですか?」
「簡単ですよ。名乗ればいい。問題なのは続けること」
出版社からの依頼が来るようになればプロ。
「大事なのは、夢を持つこと、忘れないこと、捨てないこと」
ボキャブラリーを増やし、自分で書き続け、挑戦すること。文学賞に応募するのもいい方法。
その中学生にだけではなく、私たちにも、大切なことを教えてくださいました。
縁が切れるはずだと思っていたのに、今まで以上に故郷との絆が深くなったとおっしゃった樋口さん。
熱くて深いたくさんの思い出を、本当にありがとうございました!