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【宇野千代先生の生家 周防柳さんその5】

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年4月1日更新
 岩国の実家には、毎年お正月に帰省します。そのたびに川西の宇野千代先生の生家の近くを通るのですが、お正月なのでいつも閉館中。せっかく公開されたのに見られなくて残念だなあと思っていたのですが、このたびやっと拝観できました。
 瀟洒な平屋の木造家屋です。黒光りするような調度と、ゆかりの品々にあふれています。お庭にはみずみずしい苔と、陽ざしを透かすたくさんの紅葉。有志の方々に大切に守られていて、とてもすてきでした。
 宇野千代先生といえば、『おはん』のような文学の活動のみにとどまらず、日本初のファッション雑誌を創刊され、生涯に三度も結婚されて、もっとたくさん恋もして、もうこれ、バイタリティーの塊なのです。奔流するエネルギーの塊なのです。いまふうの言葉でいえば、「なんかすげー」というやつなのです。
 そして、千代先生といえばなんといっても桜――なのですが、私は先生が桜の花をお好きでいらしたのは、枯れない花だからだと思うのです。花は咲いたら枯れます。しかし、桜だけは枯れないで、潔くぱあっと散ります。しかも毎年咲くのです。死ぬまで何度でも咲くのです。それが、この花を愛でられた理由だと思っています。
 女にとって、いえ女に限らず男の人にとっても、理想の生き方といえましょう。
 なんかすげーのです。
宇野千代先生生家の玄関
宇野千代先生生家の玄関です。二〇〇六年に一般公開されました
宇野千代先生生家内部より庭を望む
生家内部よりお庭を望みます
宇野千代先生生家の庭
苔と紅葉が美しい。淡墨桜もありますよ