錦川 中馬浩さんその3
岩国を流れる錦川は、いつも透明で澄みきっている。
錦帯橋の200~300mくらい上流に、川の真ん中の水面にいつもちょっと顔を出した岩がある。
地元では鳴子岩と呼ぶらしいが、若い頃の私は岩の名前など知る由もない。
夏の晴れた暑い日、高校生の頃の私は自転車で平田の峠を越えて錦川にむかった。
夏の暑い日は、錦川の澄みきったこの鳴子岩の周りで泳ぐのが最高であった。
川の流れは早過ぎもせず、緩過ぎもせず、澄んだ水の中に頭を突っ込んでいた。
今でも鳴子岩は水面に顔を出していた。
何度も大雨の日があっただろうに。
相当深い根をはった大きな岩らしい。
私にとっては、この岩は錦川の要石的な存在である。