あれは、まだアメリカにいた頃、日本へ一時帰国していたときのことです。
叔父から 「同級生がジャズの店をやっているから、覗いてみたらいい」 と勧められて立ち寄ったのが「ほまれ座」でした。
そのとき、岩国出身のトランペット奏者・河村貴之さんをはじめ、素晴らしいミュージシャンの方々と出会うことができました。


私は、ジャズをやっていて渡米したのではなく、アメリカでジャズを始めたため、日本では音楽仲間とのつながりがなく、不安を感じていました。
それでも 「帰ってきたらライブしよう」 と声をかけてもらい、帰国する背中を押してもらえたことを、今でもよく覚えています。
日本に戻ってからは、ここで多くの演奏者と出会い、セッションを重ね、ライブをさせていただきました。
岩国では当時、ジャムセッションの場があまり多くなかったこともあり、ボーカルが参加しやすいセッションを始めた場所でもあります。
そのサンデーセッションは、より開かれた形へと育ち、現在も続いています。
※編集注【 セッション (ジャムセッション) 】 あらかじめ曲目や演奏者が決まっている通常のライブ演奏とは異なり、その場に集まったミュージシャンが事前の打ち合わせなしに即興で演奏を合わせること。 ジャズ系のライブハウスでは、アマチュアからプロまで誰でも飛び入りで参加できる日を設けていることがあります。
ほまれ座のマスターは叔父の同級生で、岩国高校卒業。 同じくジャズを愛する方ということもあり、私の活動を長く応援してくださっています。

一昨年の怪我により、現在は店頭に立たれていませんが、オーナーママのゆきさんが、ほまれ座を切り盛りされています。
この日は、ゆきさんと昔の思い出を振り返りながら、「これからも頑張って岩国を盛り上げよう!」と語り合いました。

ほまれ座を振り返る中で欠かせないのが、いろんな会場でいろんな生演奏を楽しめる音楽イベント
「岩国ジャズストリート」<外部リンク> をゼロから形にし、ただ無我夢中で走り抜けた情熱と試行錯誤の物語 (ストーリー) です。
2015年、ほまれ座に集うミュージシャンたちを中心に始め、回を重ねるごとに街中がジャズの熱狂に包まれるような大きなうねりとなっていきました。
パンデミックという困難な時間を挟みましたが、一昨年からは内容をぎゅっと凝縮させて、新たな一歩を踏み出しています。
その歩みの中で、ほまれ座はかけがえのない演奏会場として、ずっと私たちを支えてくださっています。
ライブをするたびに、ホームに帰ってきたと心から思わせてくれる場所。
私にとって、かけがえのないジャズスポット、それが「ほまれ座」です。


岩国でライブができるお店は他にもありますが、ほまれ座はジャズを軸にしたライブ文化を大切に育んできました。
全国的にジャズのお店が減っている今、岩国のジャズを一緒に守っていけたらと願っています。
ほまれ座のライブスケジュールは、
SNS<外部リンク> や関連サイトなどでご確認ください。
ジャズライブが初めての方でも、気軽に楽しめる場となっていますよ。

蔵本りさ