住民監査請求について
住民監査請求の手引
住民監査請求とは
住民監査請求は、岩国市民の方が、市長等の執行機関や職員による公金の支出、財産の管理、契約の締結など財務会計上の行為が違法、または不当であると認めるとき、このことを証明する書面を添えて、監査委員に監査を求め、必要な措置を行うよう求める制度です。 (地方自治法第242条)
どのような場合に監査請求できるか。(監査対象事項)
1 住民監査ができる行為等の条件
住民監査請求ができるのは、市長や市職員等に、次のような違法または不当な財務会計上の行為または怠る事実があり、市の財政に損害を与える場合です。
(ア)違法または不当な
⑴ 公金の支出 (補助金の支出など)
⑵ 財産の取得、管理、処分 (市有地の取得や売却など)
⑶ 契約の締結、履行 (工事請負契約、備品購入契約など)
⑷ 債務その他の義務の負担 (借入れや保証をすることなど)
⑴~⑷の行為が行われることが相当の確実さで予測される場合も含みます。
(イ)違法または不当に
⑸ 公金の賦課、徴収を怠る事実 (市税の徴収を怠る場合など)
⑹ 財産の管理を怠る事実 (損害賠償請求を怠る場合など)
2 住民監査請求の期限
財務会計上の行為( 1の(ア)の⑴~⑷)については、「正当な理由」がない限り、行為のあった日または終わった日から1年以内に監査の請求を行わなければなりません。
財務会計上の怠る事実( 1の(イ)の⑸・⑹)については、その事実が継続している限り、請求の期限はありません。
【注】
「正当な理由」とは、例えばその行為が極めて秘密裡に行われて、1年以上を経過して明るみになった場合、あるいは天災地変等による交通途絶により請求期間が経過した場合などのように、特に請求を認めるだけの相当な理由がある場合に限られます。
1年以上経過した事業について請求される場合には、監査請求書の中で、正当な理由があることを記載していただく必要があります。
誰がどのようにして監査請求するのか。
⑴ 監査請求できる人は、岩国市の住民(岩国市内に住所を有する方)です。
岩国市内に所在する法人も監査を請求することができます。
(※岩国市民であるか否かは、住民登録の有無により、当方で確認します。)
⑵ 監査請求する事項について、書面を作成して申し出ることとなっています。(岩国市職員措置請求書)
⑶ 申し出の際には、違法または不当とする行為の事実を証明する書面を添付することが必要です。
(事実証明書) (例)…… 公文書開示請求により開示を受けた文書の写し、新聞記事など
⑷ 申し出は、直接お持ちいただくか、または郵送してください。
⑸ 代理人が持って来られた場合、請求書が請求人の意思により提出されたものであることを確認するため、代理人に対する請求人の委任状の添付が必要です。
請求書はどのように作成するのか。
⑴ 請求書の様式
下記 「請求書様式」 のとおり
⑵ 請求の要旨は、次の事項について記載してください。
(ア) 誰が (請求の対象となる職員)
(イ) いつ、どのような財務会計上の行為を行っているのか。(監査対象事項参照)
(ウ) その行為は、どのような理由で、違法または不当であるのか。
(エ) その行為により、どのような損害※が生じているのか。
※損害の発生
住民監査請求は、岩国市に財産的損害が発生している場合若しくは損害発生のおそれがある場合に行うことができるものです。ですから、仮に法令違反のおそれがある行為であっても、岩国市になんら財産的損害が生じていない、または損害発生のおそれがない場合には、行うことができません。
(オ) したがって、どのような措置※を請求するのか。
※監査請求で求める措置
・ その行為を防止または改善するために必要な措置
・ その怠る事実を改めるために必要な行為
・ その行為または怠る事実によって、岩国市がこうむった損害を補てんするために必要な措置
補正
監査委員は、職員措置請求書の形式や内容に不備があるとき、または事実証明書が不足しているときなどは、必要に応じて請求書の修正や証明書の追加提出などの補正を求める場合があります。なお、補正に応じない場合、法定要件を満たされないことから監査請求が却下されます。
請求人の証拠の提出及び陳述
監査請求が受理されると、新たな証拠の提出の機会と陳述の場が設けられます。この証拠の提出及び陳述を行うかどうかについては、請求人の選択によります。
⑴ 証拠の提出
請求人は、職員措置請求書の主張内容に基づいた次の内容のものを書面により提出することができます。
(ア) 事実証明書を補強するもの
(イ) 新たに判明した事実
⑵ 陳述
陳述は、請求人が職員措置請求書の主張事実を詳しく監査委員に説明するもので、監査委員の面前で行います。内容は請求人が提出した職員措置請求書の主張事実に沿ったものでなければならず、陳述内容が主張事実から離れた場合は、注意を受けることがあり、また、その主張内容は採用されません。
なお、この陳述は原則、請求人本人が行うものですが、やむを得ない事情があるときは、代理人でもかまいません(委任状が必要となります)。また、監査委員が必要であると認めるときは、陳述の際に市の執行機関等を立ち会わせることがあります。
住民監査請求の結果
1 監査の期間
監査委員が監査請求を受理すると、請求を受け付けた日から60日以内にその請求に係る監査結果を明らかにします。
2 監査請求の対象となった行為の暫定的な停止勧告
監査委員は、監査請求の対象となった行為が違法であるとの相当な理由があり、その行為により市に生ずる回復の困難な損害を避けるため緊急の必要がある等と認める場合、市の執行機関等に対し、必要な措置を勧告するまでの間、その該行為を停止するよう勧告する場合があります。
3 監査の結果
監査の結果は、監査委員の合議により決定されます。
(ア) 監査委員が監査請求に理由があると判断した場合、措置等の対象者に対して、期間を示して、必要な措置を行うべきことを勧告します。
(イ) 監査委員が監査請求に理由がないと判断した場合、請求人に対してその主張に理由がない旨及びその理由を示すことになります。
この結果は、文書により請求人に通知されますとともに、公表します。
4 住民訴訟
請求人は、次に掲げる場合には、一定期間内に訴訟を提起することができます。
住民訴訟を提起できる場合 |
出訴期間 |
---|---|
監査結果に不服がある場合 |
監査の結果の通知を受け取ってから30日以内 |
勧告に対する市長等の措置に不服がある場合 |
措置結果の通知を受けてから30日以内 |
勧告に対する措置が行われないことを不服とする場合 |
措置期限の日から30日以内 |
請求の日から60日以内に監査結果の通知がない場合 |
60日を経過した日から30日以内 |
監査を実施しなかった(却下された)ことに不服がある場合 |
却下の通知を受け取ってから30日以内 |
請求書様式(地方自治法施行規則第13条関係)
岩国市職員措置請求書
(請求の対象とする執行機関・職員に対する)措置請求の要旨
(例)岩国市長、岩国市教育委員会、岩国市〇〇部〇〇課長
※ 関係職員などの特定においては、氏名まで指定する必要はなく、
「本件公金の支出を行った職員」や「本件公金の支出について
責任を有する者」などとして特定することもできます。
1 請求の要旨
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
【注】請求の要旨には、次の事項を記載。
(1) 誰が、いつ、どのような財務会計行為を行っているか、または行うことが予測されるのか。
(2) その財務会計行為は、どのような理由で違法または不当なのか。
(3) その結果、市にどのような損害が生じているのか、または生じることが予測されるのか。
(4) 市にどのような措置(行うべき改善措置)を請求するのか。
(5) 請求日が、財務会計行為を行った日から1年以上経過している場合は、その正当な理由。
2 請求者
住所
氏名(自署)
地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添付のうえ、必要な措置を請求します。
年 月 日
岩国市監査委員 宛
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