市長 本日は「3月議会提出議案」と「まちづくり実施計画」についてお話させていただきます。
最初に本定例会に提出いたします案件は、諸般の報告1件、報告3件、諮問3件、議案102件です。 それでは、主なものについてその概要を説明いたします。
議案第1号平成27年度岩国市一般会計補正予算(第3号)及び議案第2号から第11号までの各特別会計の補正予算については、職員の給与改定等に伴う人件費の調整を行うとともに、国の補正予算(第1号)に伴い実施する事業費の計上、決算見込みに合わせた諸経費の調整などを行っています。詳細につきましては3月補正予算の概要をご覧ください。
次に、議案第15号平成28年度岩国市一般会計予算及び議案第16号から第27号までの各特別会計予算について、お配りした「予算の概要」に沿ってご説明します。
1ページの予算編成方針についてですが、平成28年度の予算編成作業開始時点において、本市の財政見通しは、市税収入全体では横ばいが見込まれるものの、高齢化の進展などによる社会保障経費や老朽化の著しい公共施設等の維持管理・更新経費などに多くの財源が必要であり、今後も厳しい財政状況が続くと見込まれました。これらのことから、予算編成に当たっては財政計画の基本方針である「将来負担の軽減」を堅持しつつ、総合計画及び総合戦略に基づく事業を実施することを基本方針としました。
具体的な取組みとしては、投資政策的経費は総合計画に掲げた6つの基本目標を中心に、必要性、効率性等を勘案し、より優先順位の高い「まちづくり実施計画」に登載される事業を選択するとともに、「総合戦略」に沿った事業を選択することとしました。
また経常経費は、おおむね前年度当初予算における一般財源の範囲内で編成しました。
人件費は、定員管理適正化の着実な推進を図り、公債費は、将来負担の軽減を図るため市債発行額の縮減に努めました。
以上の結果、2ページの予算規模になりますが、一般会計は731億9000万円となり、多くの大規模事業が進展することから前年度に比べ3.6%の増となっています。また特別会計は、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計の給付費の減などにより389億3150万円となり、前年度に比べ1.2%の減となっています。
次に3ページでは、歳入の状況について款別の状況を一覧表と円グラフで示しています。
4ページからの主な歳入の状況ですが、市税につきましては、個人市民税、都市計画税などの増を見込み、全体では前年度に比べ5億2300万円増の、182億1600万円となっています。
地方交付税につきましては、今年度から普通交付税の合併支援措置の段階的縮減が始まることなどから、前年度に比べ7億2700万円減の157億7300万円を見込んでいます。
国庫支出金につきましては、ごみ焼却施設の建設などの大規模事業に係る補助金の増額などにより、前年度に比べ1億6787万7000円の増となっています。
繰入金につきましては、市債の繰上償還による減債基金からの繰入れの増額などにより、前年度に比べ21億8357万9000円の増となっています。
市債につきましては、将来負担の軽減を図るため市債発行額の縮減に努めましたが、合併特例債を活用した大規模事業の実施により、前年度に比べ5890万円の増となっています。
続きまして、6ページでは歳出の状況について目的別の状況を一覧表と円グラフで示しています。
7ページで主な目的別の歳出の状況について、新規事業などを中心にご説明いたしますと、総務費は108億5664万3000円で、岩国市民会館や由宇総合支所の耐震化及びリニューアル工事のほか、玖西地域を所管する総合支所等の基本設計に係る経費を計上
しています。また再編関連特別事業費においては、新たに市立の小中学校にタブレット端末等を整備する経費を計上しています。
民生費は228億4142万5000円で低所得の高齢者への臨時福祉給付金を計上するほか、保育園・幼稚園・認定こども園の施設利用に対する給付費や、市立たかもり保育園の民営化に伴う施設整備費補助金などを計上しています。
衛生費は77億7217万6000円で、産後も安心して子育てができるように子育て支援ヘルパーの派遣経費や、子供のロタウィルス・B型肝炎の予防接種に係る助成経費のほか、ごみ焼却施設の建設工事費などを計上しています。
農林水産業費は15億7360万3000円で、集落周辺の里山整備の経費や老朽化した漁港施設の改修・維持管理計画を策定する経費などを計上しています。
商工費は8億8892万円で、中心市街地活性化基本計画に基づき、にぎわいのあるまちづくりを推進するための様々な経費のほか、岩国錦帯橋空港の利用促進や観光客の誘客を図る経費などを計上しています。
土木費は91億9105万6000円で、愛宕橋の改修工事費やJR岩国駅の東西自由通路の整備に係る経費などを計上していますが、いわく消防防災センターの整備事業完了などにより、前年度に比べ28億6574万円の減となっています。
消防費は27億9474万2000円で、自主防災組織が購入する防災資機材に係る助成経費や土砂災害ハザードマップの作成経費のほか、防災行政無線の整備事業費などを計上しています。
教育費は63億9603万3000円で、玖珂小学校校舎や(仮称)玖珂・周東給食センターの建設経費を計上するとともに、「岩国市文化芸術振興プラン」の重点プロジェクト
として、新たに錦帯橋の魅力を高めるための芸術祭を開催する経費などを計上しています。
公債費は86億7891万8000円で、市債の繰上償還の増加により、前年度に比べ17億7831万1000円の増となっています。
次の8ページからは、歳出の状況を性質別で分析したものと、主要な事業の事業概要等について掲載しています。
また56ページからは、各特別会計の概要となっていますのでご覧ください。
予算関係の説明は以上となりますが、平成28年度予算は、普通交付税の合併支援措置の段階的縮減が始まる中、市債現在高の縮減を図るなど財政基盤の強化に引き続き取り組みながら、ごみ焼却施設の建設、岩国駅周辺の整備などの大規模事業を着実に進めるとともに、子ども・子育て、教育の環境を整備し、次世代を担う子供たちの育成を図る予算としております。
続いて、その他の議案について主なものをご説明します。
議案第32号から第55号までの「岩国市農業委員会の委員の任命につき、議会の同意を得るについて」は、平成28年3月31日をもって任期満了となる岩国市農業委員会の 委員全員について、農業委員会等に関する法律の改正により、今後は議会の同意を得て市長が任命することとなるため、委員24人を任命するに当たり市議会の同意を求めるものです。
次に議案第58号「岩国市小中学校タブレット端末等維持管理基金条例」は、岩国市が市立の小中学校に整備するタブレット端末等の維持管理に資するため、岩国市小中学校タブレット端末等維持管理基金を設置するものです。
次に議案第59号「市長等の給与の特例に関する条例」は、現在実施している市長等の給与の特例措置について一定期間ごとに見直しを図るため、特例措置に有効期間を設けることに伴い、市長等の給与の特例に関する条例の全部を改正し規定の整備を行うものです。
次に議案第63号「岩国市一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」は、人事院及び山口県人事委員会の給与改定の勧告等に準じて、民間の支給状況に見合うよう一般職の職員等の給料表の額、諸手当の支給割合や額を改定する等規定の整備を行うものです。
次に議案第69号「岩国市生活交通バス条例の一部を改正する条例」は、生活交通バスの定期乗車券に、生活交通バスを利用して市内の高校に通学する市内在住の生徒を対象とした通学支援定期乗車券を新たに追加することに伴い、規定の整備を行うものです。
次に議案第70号「岩国市簡易水道条例の一部を改正する条例」は、広瀬簡易水道事業、向峠簡易水道事業及び宇佐郷簡易水道事業を岩国市水道事業に移管すること並びに柱島簡易水道事業、端島簡易水道事業及び黒島簡易水道事業の水道料金を上水道事業と統一することによる水道料金の引き下げに伴い、規定の整備を行うものです。
この他にも各会計予算、条例の一部改正や指定管理に係る議案などがございますが、詳しくはお手元の資料をご覧ください。
次に 「まちづくり実施計画」についてですが、お手元に配布しています資料に基づいて説明させていただきます。
「まちづくり実施計画」は、平成26年12月に策定しました岩国市総合計画に基づき、向こう3年間の投資・政策的事業を、効果的に実施していくために策定するものです。今回の計画に計上している事業は、あくまで現時点での予定の事業であり、向こう3年間に実施する事業がこれで全てというわけではありません。また計画に計上された事業費や実施年度についても、毎年度の財政状況等をにらみながら、計画の見直しを行っていきますので、確定的なものではないということについてご留意いただきたいと思います。
本計画の策定に当たっては、岩国市総合計画の6つの基本目標を重点施策とするとともに昨年10月に策定した「未来へつながる 交流都市 岩国~若い世代に選ばれるまち~」を基本理念とする「岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づく地域活力の向上と、人口減少の抑制に向けた取組みについても本計画へ反映させることとしました。なお、具体的な事業の選定にあたりましては、依然厳しい財政状況であることを踏まえ、重要度、緊急度及び事業効果等を考慮して事業の絞り込みを行いました。
時間の都合もございますので、個別の事業の説明は省略させていただきますが、6つの重点施策ごとに主な事業とそのうちの新規掲載事業を下線付きで掲載していますので、参考にしてください。なおこの「まちづくり実施計画」は、本日の発表の後、本市のホームページで公表することとしています。
以上、簡単に説明させていただきましたが、この「まちづくり実施計画」は本市の総合計画が将来像として掲げる『豊かな自然と歴史に包まれ、笑顔と活力あふれる交流のまち 岩国』を実現するための具体的な計画であり、大変重要なものですので、しっかりと財源を確保しながら、着実に進めていきたいと考えています。
私からは以上です。
記者 平成28年度当初予算案がまとまりましたが、改めてどういう予算案になったかということと、予算案を通してとういうふうにしていきたいかという意気込みを。
市長 先ほども少し申し上げましたが、今回大変厳しい財政状況になりますが、しっかりとメリハリをつけた予算編成にさせていただきました。一言で言いますと、新しい豊かな岩国を創造し、夢と未来への架け橋となる予算というふうに考えております。岩国市は合併して今年で10年を迎えますので、これから10年先の豊かな岩国市を築いていくための予算編成とさせていただきました。
記者 錦帯橋管理特別会計に錦帯橋資料館の整備事業の関連予算がありますが、錦帯橋資料館は以前から市民や観光客から要望があったと思いますが、今回初めて予算化される理由と、オープンはだいぶ先になるでしょうがどういった資料館を目指すのかということと、財源は今のところどういったものが念頭にあるのでしょうか。
市長 錦帯橋資料館についてはこれまでも多くの方々から要望等がありました。まず今、岩国市では、ご承知の通り世界文化遺産登録に向けて官民あげた取り組みをしていますが、そういった中でもこの錦帯橋資料館の建設については大きな連動性ができるかなと思っております。現時点で確定しておる内容等についてはまだ具体的に申し上げることができませんが、場所については岩国一丁目敷地内の中央フード銀座店跡地を想定しています。また完成は、予定ですが、平成32年4月ごろを目指していきたいと考えています。展示内容は今後検討していく分野になりますが、まず錦帯橋に係る歴史的な展示や技術が分かるような展示、さらには廃材の展示などが考えられると思っております。財源についてはこれからしっかりと検討して参ります。
記者 錦帯橋資料館を今後、岩国市にとってどういう位置づけにしたいですか。
市長 観光資源としての錦帯橋のみならず、岩国市民のシンボルでもありますので、すばらしい錦帯橋を後世にわたってしっかりと伝承していくためにも市民の方々のある意味学習の場としての位置づけもあろうかと考えております。歴史的、技術的、文化的な要素を市内外の方々にしっかりと伝えるための施設としての位置づけと考えています。
記者 子供医療費の無料化について、所得制限をなくすのと中学3年生まで拡大するというお話もあったと思いますが、今回の当初予算には盛り込まれていません。今後はどういうふうに進めていきたいですか。
市長 これまで以上に「子育てするなら岩国市」をしっかり進めていくために、これまでは小学校6年生まで子供医療費無料化、そして所得制限がございましたが、これを所得制限の撤廃と中学3年生までの拡充ということで、今、内部で検討させております。今回、当初予算にその経費が上がっていないというご質問ですが、まず実施時期ですが、新年度内には実施したいと思っています。4月にすぐスタートできないのは、やはりいろいろな関係機関との調整がありますので、これからすぐに調整して速やかに、できたら10月くらいをめどに拡大できるようにしたいと思っております。ですから補正予算で対応できるよう、これからしっかり調整していきます。
記者 今後人口が減りますし、施設の維持管理にも経費がかかって厳しい財政状況が予想されます。再編交付金にも期限がありますしその先が不透明な状況で、将来的な財源確保についてどのようにお考えですか。
市長 再編交付金については、国にこれから具体的に期限の延長なり財源の拡充等について要望しておりますしこれからもしっかりしていきたいと思います。また岩国錦帯橋空港も開港して非常に堅調でありますので、これを契機に企業誘致も同時にしっかりと進めていきたいと思っています。また市内の活力をしっかりと見出していくために、駅前の中心市街地のにぎわいづくりも含めて、さまざまな税収増につながる取り組みを同時に展開していく必要があると考えております。それと同時に、公共施設等の老朽化に伴う維持管理経費等も、これから大幅な財源が必要となって参りますので、公共施設等の総合的な見直しの作業も推進していきたいと思っております。
記者 予算上、黒磯の旧国病跡地活用検討事業が平成29年度までになっていますが、検討の状況は遅れているということでよろしいですか。
市長 現時点で具体的な案は定まっておりませんが、愛宕山の医療センターとまだ売買契約が済んでおりませんので、そういった作業等が終わって、同時並行的ではありますが、跡地については庁内でプロジェクトチームを立ち上げておりますのでしっかりと詰めていきたいと思います。
記者 確か年度内に方向性が決まるといった答弁が以前あったと思うのですが。
市長 正直、今の段階では明確に固まったものがござませんので若干遅れ気味でございます。
拠点整備推進課職員 土地の購入については、来年度、土地開発公社の先行取得によりまして購入する予定です。平成28・29年度で構想を策定し、そのなかで土地の利用計画等を策定していく予定です。
記者 2月22日に宜野湾市に行かれると思いますが、姉妹都市提携等を念頭に置かれているのですか?
市長 この件については、私も今日昼のNHKのニュースを見て正直びっくりしておるところです。現時点で宜野湾市と姉妹都市提携をするという明確な方向性は決めておりませんし、どこでそういった情報を得られたかわかりませんが、相手があることでもあります。どういった情報をとらえて岩国市と姉妹都市提携を結ぶということになったのか、それが決まったかのような報道でしたので、これについては我々も大変困惑しています。実際、議会からも姉妹都市提携を結んだらどうかという声はありますが、市としては事務レベルでも全く協議をしておりません。こういう段階で、姉妹都市提携は結ばれるという明確な報道があったこと自体、私は正直いかがなものかと思っております。結ばれるものも結べなくなるかと思いますので、先行報道については控えていただきたいと。困惑しております。
記者 22日に宜野湾市に行ったときにそういう話が持ち上がったりだとかは。
市長 今回沖縄を訪問させていただくのは、3月27日から沖縄便が就航いたしますので、その観光PRもありますが、かねてから宜野湾市の佐喜眞市長と個人的にもいろいろな情報交換をしておるので、今回の沖縄訪問で宜野湾市にも訪問させていただいて、今後の基地等の情報交換をさせていただこうと思っておりました。その話の流れで姉妹都市の話がでるかということは全く想定しておりませんが、今回先行的な報道がなされたばかりですので、逆にそういった発言は慎重にしたいと思います。正直びっくりしました。一応すぐに内部にそういった問い合わせがあったかどうか確認はしましたが、所管する市民協働推進課都市交流室からは全くないと聞いておりますので、NHKが我々行政執行部側にどういった取材をされて発令されたのか聞いてみたいと思っています。どこでそういった確約というか市の大きな方針の情報を得られたのか、非常に戸惑っております。
記者 沖縄訪問に関しての意気込みを。
市長 3月27日からの沖縄便就航に向けて、月曜日から観光協会や商工会議所の方々と一緒に参りますが、沖縄県庁とか、沖縄観光コンベンションビューロー、各メディアの方々とのいろいろな情報交換と岩国市の良さのPRをしっかりしていきながら、今後の観光や経済交流などさまざまな連携も含めて、ご挨拶しご意見をいただきたいと思って今回お邪魔させていただきます。非常に短い時間ではありますがしっかりと岩国のPRをしていきたいと思っています。
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