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市長記者会見「米軍針尾住宅地区及び池子住宅地区の視察報告」について(平成21年8月17日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2009年8月17日更新
  • 日時 平成21年8月17日11時30分~
  • 場所 議会会議室
  • 担当課 コミュニティ課広報係

市長 7月31日、8月10日と佐世保の針尾住宅地区ならびに逗子市の池子住宅地区の視察をしてまいりましたので報告をします。
 まず、視察の目的は愛宕山開発用地買取要望の問題に端を発し、米軍家族住宅に関する様々な情報に基づく論議が議会や市民の間で起こっております。こうした状況の中で、すでに多くの市議会議員や商工会議所のメンバーの方々も現地視察や意見交換を行っていらっしゃいます。ついては、市としても現地視察を行い、地元自治体と意見交換を行い、正確な情報と事実に基づいた米軍家族住宅に対する理解と認識を深め、今後の行政運営に反映させたいという目的でこのたびの視察を行ったところです。施設の概要につきましてはお手元に配布してあります。それでは地元自治体との主な意見交換の内容につきまして報告します。
 佐世保市ですが、米軍と市民との交流は盛んであり、各種団体や行政も交流事業に積極的であります。日米協会も東京以外では会員数も日本一で、そのくらい活発な交流を行っているということでした。町を歩いていても、怖いとかそのような雰囲気はありません。また、中心市街地に米軍施設である大きな公園(ニミッツパーク)があり、日本人も自由に入れて交流できるようになっていました。ニミッツパークの運動施設にはソフトボール場、アメフト場、バーベキューハウスなどを日本人だけで使用する場合は、文書による手続きが必要でありますが、ジョギングやウオーキングなどは許可なく自由に使用できるようになっております。佐世保基地とは日米親善交流イベントやフェスティバル等がさかんに行われており、市民の皆さんは交流に対しては垣根というものはほとんど感じずに楽しんでいらっしゃいました。商店街の中に、米兵や外国人観光客のために、英語が話せるスタッフを配置した案内所(アメリカ イン 佐世保情報センター)があり、大変役に立っているということでした。また針尾住宅地区に隣接するハウステンボス臨時駐車場に、新たな米軍家族住宅が建設される予定であるが、反対する住民はほとんどいないということでした。針尾住宅周辺地域の市民からは、米軍家族住宅の苦情はあまりなく、言葉の違い、習慣、文化の違いによるトラブルも少ない。また、近年、米軍関係者による凶悪な事件は起こっていないが、事件性のない交通事故の件数は若干あるということでした。
次に逗子市ですが、佐世保市と同様、交流はかなり活発に行われている。全国の基地の中でも最も盛んに、いろいろな意味で交流が図られていると受けとめております。運動施設では、いろいろなスポーツイベントや交流試合などが行れています。米軍家族住宅の方が直接加わらない、交流という形ではない施設の利用というケースもあるとのことです。その場合、完全にフリーで入れるわけではなく、事前に名簿を提出し、許可を得た上で、入る時には身分証明の提示をし、テロ以降は荷物検査も行われている。現在、手続きの改善を米海軍に要望しているところであるとのことでした。事前に登録しているスポーツ団体(野球のクラブ、サッカー少年団など)でのスポーツパスというものは始まっておりまして、引率者がパスを持っていれば、参加者もそれで入ることができる。それを個人用パスの発行にまで広げることができないかを現在、体育協会と基地司令部が直接、調整しているという状況でありました。米軍家族住宅があることで、治安の問題で不安に感じていることはあまりなく、逗子市民が市民生活をする上で、米軍の関係者とトラブルがあったとか、事件、事故に巻き込まれたということは、過去10年間、市内ではないということです。軽微な交通事故が昨年、20件程度あり、うち人身事故は2件あったが、死亡事故はありません。有刺鉄線があるのは山の裏側であり、正面ゲート付近は普通の金網フェンスが張ってありました。また、運動施設の周辺は金網フェンスが張ってあるが、一部、下の部分が金網、しのび返し部分に有刺鉄線が張ってあるフェンスもありました。山の奥のところは、蛍の季節には市民が入って蛍狩りを楽しんだり、日米協会の方々がキャンプ場で日米交流のバーベキューを行ったりしているようです。また、広域避難場所としての協定を米海軍と結び、いざという時に市民が避難できるようになっています。市民からの苦情としては、時々、運動施設のナイター照明がまぶしいとか、年に1~2回、米軍側が夜を通してイベントを行う際に騒音の苦情があるとのことです。以上が佐世保市と逗子市と意見交換をした結果でございます。トータル的な私の所感ですが、正確な情報と事実に基づいた米軍家族住宅の状況を把握し、今後の行政運営に生かすために、両住宅地区の視察と両市との意見交換を行ったところですが、両地区とも市民と米軍との交流が活発に行われているとともに、治安面については、全体的な市民感情として、あまり不安に感じていないとの印象を受けました。言い換えれば活発な交流が治安面での不安を抑える方向にも働いているのではないかと感じました。地区内の運動施設等の利用については、一定の手続きが必要であるが、少しでも市民の皆さんが利用しやすいように検討されていると感じました。交流事業も含めていろいろな形で市民が利用しているのも事実であり、このような施設が多くの市民に有効に活用できるよう、岩国市としても、施設の利用方法や手続きなどについて改善を働きかけていきたいと思います。池子住宅地区の有刺鉄線については、自分の眼で確認したところでは、ほとんど目につきませんでした。少なくとも、いわゆる「張りめぐらされている」といった印象ではありませんでした。
 今回の視察と意見交換により、自分の眼で米軍家族住宅の状況を確かめるとともに、交流事業の状況や治安面での市民感情など、直接、地元の意見を聴くことができました。所期の目的のとおり、今回得られた情報や事実を基に、米軍家族住宅の状況を客観的に評価し、今後の行政運営に生かしていきたいと感じております。以上を今回の視察の報告とします。

記者 相手の市長とは文書なり具体的に質問の項目を提示してそれに答えていただいたのか、口頭でやりとりをされたのですか。佐世保市の針尾住宅の中にそういうスポーツ施設があると聞いているのですがそのあたりの交流状況、あるいはニミッツパークの運動施設はどの程度そういうスポーツなどの交流状況があるのか分かれば教えてください。

市長 両市とも書面で意見交換をしているわけではありません。フリートークで私から市長にいろいろな現状について話を聞いて市長からありのままのお話をいただいております。針尾住宅の中にある野球場とかの住宅街の施設につきましても市民との交流はされていると伺いました。

記者 具体的にはどの程度の利用がありますか。

市長 回数ですか。米軍の家族住宅を視察しましたので担当者は市ではありませんでしたので米軍住宅の関係者の方から説明を聞きましたが、年間でいくらぐらいの利用があるのかということは聞いておりません。地元の子どもたちとの交流試合などをされているということは聞いております。佐世保市のほうは先ほど申しましたニミッツパークなどで、これは佐世保市内の中心地に位置しておりましてこちらのほうが市民のみなさんが活発に利用されているというように聞いております。

記者 市として他の基地の米軍家族住宅の情報収集はこれまでもされていたのでしょうかそれとも今回が初めてですか。

市長 市として、行政として中を視察と言う形で行ったことはないと思います。今回初めて米軍家族住宅の視察を市長として行いました。

記者 情報収集もされていないのですか。

現地に行くのが初めてで、情報収集はもちろん電話で問い合わせをさせていただいたことはあります。

市長 今まで行政レベルで情報収集などのやりとりはしておりますが、現地を見て地元の色々な声を客観的に聞くということは行政の基本だと思っておりますので、これを今回行ったわけですから、客観的に事実を把握することによって今後の行政運営に生かして行きたいということでございます。今回の視察の目的に重なる部分はありますがそういったことで今回の視察を行ったところでございます。

記者 市として改善を求めるというのは現在の門前住宅のことを指しているかそれとも基地内の施設なんかを指しているのですか。

市長 基地内のさまざまな施設がありますが、そういったものについてももっと頻繁に市民が使えるような形で色々な働きかけをしていきたいと考えています。市民の方からも色々な意見をいただいておりますが施設ができた際には市民が自由に使えるような施設にして欲しいという声や要望も受けておりますのでそういったものがあればなと考えております。

記者 池子住宅などの施設がもし岩国市にあるとイメージしたときにどういうイメージをもたれますか。

市長 現在岩国市にも米軍家族の方は基地内、基地外にもお住まいでございますので、そういった意味からも似ているところは、両市とも市民感情というものがあまり、米軍家族の方に対して夜怖いとかそういった雰囲気が全市的にないと感じました。逆にもっと交流を取っていくことが治安の面からも不安が解消されるという風に話されていましたし私もそのように感じて帰ってきましたので、それは岩国市、佐世保市、逗子市も同じ感情ではないかなと感じております。

記者 今回6度目の拡張でハウステンボスの駐車場を広げてほしいという要望があると聞いたのですが、これまで歩道を拡張するという中で例えば佐世保市の都市計画図に指定されていないというところで市が物が言いにくい立場にあると聞きましたが、例えば都市計画図に指定されていないことで何か問題があるとかそういう話はお聞きにはならなかったんですか。

市長 その辺りの具体的な話は市長とは出ませんでした。

記者 今回視察されて、例えば都市計画地域に指定していれば市がもっと積極的に発言できるだろうしという話もあろうかと思いますが、いずれにしても今回の拡張の話も、市側にあると思いますが、市が積極的に関与できないというような問題点があるのかなと個人的には感じたのですが。市が米軍住宅と防衛省との間に入れるような、何かを作るときにきちんと土地利用計画について相談を受けられるような体制をつくりたいとかそういう思いというものはありますか。

市長 意見交換の中でそういったやり取りはありませんでしたが、地元自治体としてしっかりいうべきとことは言い、市民の不安も解消しながら市がまちづくりを進めていくという観点では一致したところですから後はそれぞれ市におかれている懸案事項があると思いますが、基礎自治体として市長が県や国なりとしっかりと協議をされるべきだと思っておりますのでそれについてのわたしのほうからのコメントは控えたいと思います。

記者 逗子市のほうではこれまで基地提供区域の返還ということで積極的に要望され大変な譲歩もされていると思いますが、返還についてのご苦労というものは何かありましたか。
市長 池子住宅の返還については40ヘクタールの返還案でしょうね。新聞等で記事としては見ておりましたがそれについて平井竜一市長とやりとりはございませんでした。

記者 米軍住宅を視察してこられましたが岩国市の場合は米軍の再編計画と結びついているのでちょっと違うと思うのですが、艦載機部隊が増えるという問題が将来に待っているというわけですね。それと愛宕山が有力視されているわけですけれどもここは住宅を作るということで計画されていたのに、そうでなくなったということで他の米軍住宅を作るという話と岩国市の事情と違うと思いますが、色々と視察されて、岩国市との事情も比較してなにか思いがありますか。

市長 逆に各市町村から岩国市のおかれている現状について愛宕山の経緯とか建設の経緯とか含めて私のほうから説明をさせてもらいましてそういったなかでのいろんな議論が今回の視察につながるわけですが全体的に改めて正確な情報・事実というものを私なりに把握することが大事だと考え、今回視察いたしましたし、両市の市長からもそれぞれの地域の歴史や市民感情があるわけです。しかしながらそういったものを踏まえたうえで全市的な観点から今回色々な話を聞いたわけでございまして、米軍家族住宅に対する大きな不安も市民生活上ないといったこととか、市民の交流をしっかりやっているということとか基地内の体育施設の利用についてもまだまだ改善をするべくいろいろな協議を進めている池子住宅の中では広域避難所として中学校のグラウンドとフェンスでつながっておりましていざというときにはそのフェンスを開けて市民の方が米軍家族住宅の中に避難ができるような協定を結んでいることなどの説明も聞きました。過去に2回訓練をしていると聞きました。そういった米軍家族住宅と市民との間で交流面または防災協定とか色々な事業も展開していることが今回の視察で分かったことですのでそういったことも今後私なりに行政を進めていく上で参考になったということです。