市長 まず、最初に「岩国市総合計画」について、お話しをさせていただきます。
「岩国市総合計画」は、その計画の一部にあたります「基本構想」の部分について、9月定例会で議決をいただいておりまして、それを受けて、策定を進めてまいりました「序論」と「基本計画」が完成いたしましたので、新たな総合計画として本日発表するものでございます。
本市の抱える課題に的確に対応するとともに、特長ある地域資源や、これまで先人達が培ってきた 歴史・文化をまちの活力につなげ、新しい岩国の時代を築いていくために、平成27年度から平成34年度までの8年間のまちづくりの方向を示す「第2次岩国市総合計画」を策定いたしました。
本計画においては、まちづくりの将来像と基本理念を「つなぐ」というキーワードでとりまとめまして、まちづくりの将来像を『豊かな自然と歴史に包まれ、笑顔と活力あふれる交流のまち岩国 ~人・まちをつなぐ明日への架け橋~』といたしました。
また、「人と人」、「地域と地域」、「都市と都市」をつなぐことで、地域の資源を活かし、活力あるまちとすることを基本理念としております。
そして、将来像を実現するための基本目標は、東日本大震災、領土問題に伴う安全保障の問題、そして岩国錦帯橋空港の開港などもふまえまして、「福祉・健康」、「産業」、「生活環境」、「安心・安全」、「教育・文化」、「市民協働」という6つの柱にしております。
次に、旧の総合計画との相違点でございますが、第1点目に 基本構想の第2章「地域別のまちづくり方針」に「中心地域のまちづくり方針」と「中山間地域のまちづくり方針」を位置付けたことがございます。
次に、今回の総合計画の全面見直しになった要因のひとつでもあります中山間地域のまちづくりや、中心市街地の活性化について具体的に地域を示し、そのまちづくりの方針を定めております。
第2点目に、基地と共存するまちとして、市民の安心・安全と平穏を確保するため、航空機騒音の軽減や米軍構成員等による事件・事故の防止 といった安心・安全対策に関係機関と連携して取り組んでいくことや、日米の相互理解と親善を深める取り組みを積極的に進めていくことを掲げたことがあげられるというふうに思っています。
市の基地対策の基本方針にありますように、「住民が安心して安全に暮らせる環境を確保する」これは、極めて重要なことであります。「基地との共存」について、総合計画に掲げ、基地政策に取り組んでいくべきであると判断をしたところでございます。
以上2点が大きな変更点でございますが、いずれにいたしましても、将来像の実現に向け、本計画に掲げた6つの基本目標とそれを支える行政経営を推進し、住み続けたい、住んでみたいと思われる、選ばれるまちとなるよう、スピード感をもって全力で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、「岩国市中山間地域振興基本計画」について、お話しをさせていただきます。
本市の大部分は中山間地域でございます。全国的にも、人口減少や少子高齢化の急速な進行など、中山間地域を取り巻く環境は厳しさを増しており、農林水産業の経済活動の低迷、集落機能の低下、買物等に支障を来すなど、いろんな課題が山積しております。
しかしながら、ご承知のとおり、中山間地域は、地域の皆様の生活の場であるとともに、自然環境の保全、食料の安定供給、市民のふれあいの場としての公益的な機能も有しておりまして、今日まで、恵まれた自然と美しい景観の中で、様々な伝統、文化が育まれ、地域経済が発展をしてまいりました。
こうしたことから、中山間地域の振興を総合的かつ計画的に推進していくため、昨年6月に制定されました「岩国市中山間地域振興施策基本条例」に基づき、本計画を策定したものでございます。
本計画の計画期間は、先ほど申し上げました「岩国市総合計画」と同じく平成27年度から平成34年度までの8年間としておりまして、「岩国市総合計画」に掲げる中山間地域のまちづくり方針に沿って、「安心・安全に 暮らし続けられる中山間地域の実現」を基本目標に、「安心・安全で 暮らしやすい生活環境の整備」「持続可能な地域社会の形成」「地域資源を活かした多様な産業の振興」の3つの施策の柱を設定し、課題解決に取り組むこととしております。
いずれにいたしましても、本計画に掲げた主要施策に基づく事業を進めていき、中山間地域の振興に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上です。
記者 どこが変わったのか教えてください。一番変わったのは?
市長 変わったのは大きく言って2つあります。中心と中山間地域ということで、大きく分けて2つのエリアですね、設定をしております。あと基地との共存ということで、関係も今回中に盛りいれています。
記者 基本目標の施策の4の3あたりですかね。160ページくらいですか、基地との共存というのは。
市長 そうですね。160ページの基本目標4、誰もが安心・安全に暮らせるまち、ここに航空機の騒音対策なり、航空機騒音の軽減、さらには米軍構成員等による事件・事故の防止、さらには、日米の相互理解、親善を深めるそういった交流事業、こういったことも積極的に行っていくということを今回新たに組み入れております。
記者 中山間地域の振興基本計画についてお尋ねしたいんですけれども、中山間地域や離島などの現状についての市長のご認識を伺いたいのと、もうひとつはその計画の中でいろいろ施策がございますけれども、たとえば今後予算をこれからつけて実施されていくことだと思うんですが、特にその柱というか目玉というか、大きく、予算を通して施行していくという具体的な施策が今の段階でお話しできるものがあれば、お願いしたいと思います。
市長 中山間地域振興の中でですか?重要政策はどれかというご質問かと思うんですけども、まさに今予算編成作業中でありますので、確定的なことは申し上げられませんけど、これまでやってきた事業もありますが、たとえば、体験型教育旅行の拡大に向けた実施体制なり連携の強化、これも考えております。これはどういったものかというと、中山間地域の体験交流事業の推進、充実を図るために、具体的に申し上げると、宿泊可能な体験交流施設を整備するとかですね、UJIターンによる定住促進を図るために、地域づくり相談員によるコーディネートの充実、さらには、地域おこし協力隊員の派遣事業、これは26年から始めております。さらに、22年からも始めております集落支援員、この事業もしっかりと継続していきたい、まさに、いろいろな集落、非常に厳しい状況が続いておりますので、そういった認識の中でどういったことで活性化を図っていけるかということを、そういった支援員等を含めて、考えていくということを継続していきたいと思っております。そのほか、県事業との絡みもございますけど、新規就農支援、こういったこともですね、県事業と絡めて。
記者 就農支援?
市長 新しく農業を起こす方の新規のですね、就農支援です。離島のほうも現在、地域おこし協力隊を離島のほうに派遣をしておりますので、2年目に入ってきますので、いろんな成果もですね、今後発表されるというふうに期待をしております。
記者 今日の発表とは違いますけれども、今年一年を振り返って、一番印象に残った出来事、これはご自分で評価できたなということ、あるいは積み残したなということ、ありましたらお願いします。
市長 今年一年ですか?今年一年は選挙もいろいろございました。1月でしたか、知事選があり、10月に市議会議員選挙、そして12月には国政選挙等がございました。そんな中で、本市においてもいろいろな出来事がございましたが、7月には普天間からKC-130が移駐ということもありましたし、8月にはゲリラ豪雨がありまして、大変な爪あとを残したわけであります。特にこの災害について申し上げますと、記録的な集中豪雨ということがありました。また早朝夜明け前ということで思うように情報が収集できなかった、さらに、十分な情報が市民の方々に提供することができなかったといういろいろな課題、また改善策等も見えてまいりました。今後しっかりと見直すべきは見直していきながら、安心安全なまちづくりにしっかりと尽力していきたいと思っています。消防防災行政無線なり、愛宕山のほうでも消防防災センターのほうが着工しておりますが、こういったインフラ、ハード事業を含めてでありますが、市民の防災意識を高めるためのさまざまな取り組みを全庁的に行ってまいりたいというふうに思っています。もちろん、年が明けましたら災害等の本格的な復旧工事も始まってまいりますので、具体的に地域の方々とそういった工事内容についてもしっかりと協議をしながら、速やかに進めてまいりたいというふうに思っています。また今回災害の中で多くのボランティアの方々の力をお借りしました。大変感謝をしております。何が起こるかわからない中で常日頃からの協力体制なりさまざまな備え、こういったものをしっかりとやっていく必要性を改めて感じた一年でもありました。
そのほか、中活の認定がございました。今後中心市街地の認定の上に沿って活性化につながるような施策をしっかりと新年度も展開していきたいと思っております。あとは駅舎整備のほうも協定締結が整っておりますので、まさに年明けから今年度、2月、3月頃には工事に具体的に着工されるだろうということを聞いております。あとは愛宕山のほうも、運動施設等も造成工事が始まりましたので、具体的な実施設計等がまた国のほうから示されれば、広く市民の方々にも詳細について説明する機会を考えていきたいというふうに思っております。
あとは、高齢者の見守り体制についても、事業所の方々と協定締結も進んでおりますので、子供さんから高齢者の方々まで安心安全住みやすいまちづくりのためのさまざまな事業が、今年一年、一歩一歩でありますけど、前進をした年であったというふうに思っております。来年以降もこういった取り組みを止めることなく、しっかりと事業の進捗を、歩みを、進めていきたいというふうに思っております。
記者 今の関連で、逆に今年一年やりたくて出来なかったことはありますか。
市長 錦帯橋空港が開港して2年が経過いたしまして、ビジネスのほうはかなり利用客のほうも堅調な数字で推移しているということを聞いております。一方で、観光面をどうかと申し上げますと、観光客の利用は若干一年目に比べると、減ってきておるのかなと。また今年、鵜飼いのほうが事故がございましたので、今、安全マニュアル等について観光協会さんのほうと協議をしておりますが、全体的にそういった中で観光施策について十分にですね、本市の魅力なり、いろんなことが、事業が思うようにいかなかったということは否めませんので、観光振興全般についても来年しっかりと関係者の方と連携して、取り組んでまいりたいと思っております。
記者 今年のトピックでもう一つ、黒磯の旧国病跡地というのがありまして、結局センターのほうでは売却ができなくて、年度内には方向性を出したいということだったんですが、今後スケジュール的にどういうふうに進んでいきそうなのか、来年以降の見通しはありますか。
市長 議会でも質問がけっこう出ておりましたけど、黒磯の旧国病跡地については、これまでの経緯については、民間売却について検討しておりましたけど、それが難しかったという報告でありますので、今後、医療センターのほうと市のほうとまた県のほうと最終的に方向性を決めていくということは、年度内には出していきたいというふうに思っております。その作業に向けて庁内でもプロジェクトチームを立ち上げておりますので、こちらのほうで関係当局のほうと協議を進めております。そんなに時間的に余裕がありませんが、年度内には一定の方向性についてお示しをしていきたいというふうには考えております。
記者 来年の目標を一言。今年を一言漢字か色か。それと来年の抱負を一言お願いします。
市長 今年の一年。
記者 今年の一年はまず何という漢字か。それか色か。
市長 今年はですね、今年の初めに「翔」という字をお見せしたと思います。まさにある意味ではいろいろなまちづくりが飛躍する年に、大きく飛躍ということにはなりませんが、確実に一歩一歩前に上に向いて飛び上がったかなというふうに思っております。
来年はどういった年にしたいかということはこの年末にですね、しっかりと熟慮して考えていきたいというふうに思っております。また年が明けた機会にですね、27年がどういった年であるか、あって欲しいかということはお示ししていきたいというふうに思いますので、もうちょっと時間をいただけたらと思います。