市長 11日から12、13日と3日間、沖縄を訪問してまいりました。ご承知だと思いますが、先般、政府からKC-130の先行移駐について理解と協力をお願いしたいといった要請を受け、今回、仲井真知事、佐喜真市長、またフリン司令官、その他いろいろな方と意見交換をする中で、沖縄の現状、またKC-130の運用の状況等を確認し、今後の判断につなげて行きたいという思いがありました。また、基地が所在する自治体の長としての共通認識なり、意見交換が常日頃から必要と考えていましたので、今回そういうことが実現できて、大変有意義な沖縄での視察であったと考えています。具体的な内容についてはお手元に資料をお配りしています。簡単に申し上げると、所感のところですが、沖縄に何度かこれまでも訪問をしていますが、沖縄全体に基地の負担が過重なものということは改めて実感し、特に普天間基地の危険性の除去、これは普天間基地の全面返還が早期に図られるべきであろうということを感じました。これは国全体で考えていく問題、さらには政府としても最優先に取り組むべき課題であると改めて感じました。そういった中で仲井真知事、佐喜真市長からはこれまでの沖縄の負担軽減に対して岩国が取ってきた様々な経緯を踏まえて、感謝の意を表しますという旨のお言葉もございました。やはり目に見える形で沖縄の負担軽減を図っていく必要性については理解をしているところです。先ほど、市議会の基地議連にも今回の視察の一連の説明をさせていただきました。今後、議会の意向等、また、県とも調整し、総合的に判断をしていきたいと考えています。以上です。
記者 先ほど、普天間の全面返還、早期に危険性の除去が必要だとおっしゃいました。全面返還をするためにはやはり辺野古が移転先だと。仲井間知事との対談でその点も聞かれたということですが、特に今後、辺野古が動くのかということについてはどういう思いですか。
市長 私から、普天間基地移設の見通しについて知事にお尋ねしました。知事は県外のほうが早いだろうとの主張を繰り返されました。また、埋め立て承認に関しては、これから最終的な結論を出さざるを得ないというお話がありました。やはり、日米同盟の必要性はまだまだあるということも前提の上で、今回、最終的な判断を出さざるを得ないといったご発言がありました。
記者 そうなると、場合によっては知事が承認されないというケースもあります。当然普天間は先には進まないと。KC-130の先行移駐を県なり市が受け入れることは、そういった知事の考えが何かに影響するということはありませんか。例えば、早く先行移駐をして返還の条件が進むというような感触はお持ちではないですか。
市長 仲井間知事の今後のご判断に対して私がとやかく言う立場ではないですが、共通の認識としては、やはり普天間の危険性の除去という観点から考えれば一日も早い全面返還を図っていくことは誰しもが感じるところで、それが共通の認識でした。市としては、国全体で考える課題でありますが、沖縄の負担軽減のために全国が考えていかなければならないことだという認識を改めて持ったところでございます。
記者 配布資料にもありますが、KC-130の機数について、実際に普天間飛行場を視察されて15機が配備されているが実際に運用しているのは10機程度だったと。12機の移駐なら可で15期なら不可とする知見を得るには至らなかったとありますが、改めて機数が増えることについて市長のお考えを。
市長 今回、日米の2+2で国からの説明があったのは15機ですが、以前はご承知の通り12機でしたので、その3機の増加の理由等について基地に行って司令官に確認させていただきました。実際1年半前までは12機の運用でしたが、その後15機になったということです。先ほどの質問にあったように部隊は15機なのですが、そのうち10機程度の運用であると。数機は諸外国に行っていたり、メンテナンス整備等、点検整備をしており10機程度の運用になると。いずれ、岩国に移駐した時も同じような機数での運用になるというご説明がありました。この機数そのものの増加については今後見解をまとめたいと思いますが、客観的に考えると機数が増えたということはおのずと飛行回数等も増えるということです。それについて確かに負担はあると思っていますが、かといって以前SACO合意のときですが、移駐そのものは認めているわけで、そのときに12機であって今回仮に15機だから駄目だといった結論になったのかどうか、そういったことも含めて今後、判断してまいりたいと思っています。
記者 ニュアンスがここに書かれているのとちょっと違う気がするのですが、機数の考え方についてもう一度聞かせていただけますか。
市長 当時、12機で岩国市のKC-130の移駐について容認されています。今回、15機ということですが、当時、仮に15機だったとして駄目だったのかという議論ではないと思っています。機数が何機だったら移駐そのものが認められるのか認められないのかという議論ではなく、それによる影響なり、どういった運用をしているかということが、非常に大切だろうという観点を持ち合わせています。そういった中で、実際にどういった運用をしているのか、また今回、グアム、嘉手納、岩国でのローテーションの具体的な中身についても、質問させてもらいました。ケース・バイ・ケースでいろいろな運用状況がそのときによって変わるということで、具体的な回答はなかったわけですが、そういったことも今後の判断の材料にはしていきたいと考えています。
記者 先行移転を受け入れるかどうかという判断はこれからと思いますが、もし岩国市が引き受けることになれば、沖縄の基地負担の軽減イコール岩国の負担が増えるということになるわけです。当然、SACO合意等ですでに認めているところもありますが、これから負担が増えるかもしれないということについて、今の市長のお考えを。
市長 今回、沖縄を改めて訪問させていただいて、特に普天間基地に至ってはその市街地のど真ん中に基地、滑走路が存在しており、非常に市民生活に大変な影響が及ぼされているという事実があります。やはり目に見える形での負担軽減の必要性は感じましたし、今回、知事はじめ市長におかれましては、そういった現状を説明された後にこのKC-130が移駐ということになれば、これは負担軽減に大きくつながっていくということで、是非とも大変な判断ではあろうが、よろしくお願いしますというご発言がありました。今日の時点で結論はまだ出せませんが、そういった状況で、おっしゃるとおり沖縄のほうでは負担が軽減されるわけですが、受け入れとなるとやはり機数が増えるわけです。これについては平成8年来、合意をしていますから、改めて同意をする、しないという議論ではないわけで、今後、その先行移駐そのものについての議論を詰めていきたいと思っています。
記者 移駐そのものはすでに合意をされているという考えで、先行移駐であることが一つポイントだと思うのですが、先行移駐がもし実現した場合に、先行ではない移駐とはどう違うのか、正直よく分からない部分があります。沖縄の基地負担が1日も早く軽減されるということは分かりますが、それ以外考えられる影響はあるのでしょうか。岩国への影響、または沖縄への影響、または政治的な影響など。
市長 やはり過重な基地が集中していることによって、少しでも負担を軽減していきたいという思いは、沖縄の現状を見れば誰しもが感じることだと思っています。これまでは普天間の移転そのものの諸条件が整うまでには、先行してKC-130の移駐は認められないというのが、岩国市の基本的なスタンスでした。そういった中で先般、国から先行移駐の要請があり、今回、改めて沖縄の視察をさせていただいて、知事はじめ佐喜眞市長のほうからは、これまでの岩国市の様々な取り組みに対して感謝の言葉と、また今回、岩国が先行移駐を認めることになれば非常に目に見える形での負担軽減につながるという観点から、感謝すべきことであると発言がありました。こういった言葉も、重く受け止めさせていただきます。先ほど基地議連の議員に若干説明をさせてもらいましたが、また今後、県とも調整し、改めて判断をしていく必要性があると考えています。
記者 基地議連からは今回の報告についてどういった声があったのかということと、今後、市議会や県とも調整して、総合的に判断していくということ、どのように調整を進めていくかなどのスケジュールを。市長は年内にはと言っていますが、この12月市議会までにということなのか。
市長 議会のスケジュールは議会のほうで調整が必要になるので、今日の時点で議会のスケジュールを私が述べるわけにはいきませんが、先ほど基地議連の中では自由な意見交換をさせていただきました。今回、機数が増えること自体が基地機能強化にあたるのかどうかといったやりとりはございました。その辺りの話はいろいろな考え方があるにしても、基地機能強化という考え方は、岩国市は市民生活にどんな影響があるかということを基準に判断をしていくという中で視察させていただいていますので、その判断も今後しっかりとまとめていく必要があろうと感じました。あとはいろいろ、国全体で、沖縄のこともしっかりと負担軽減のために取り組むべきなど、平成8年のSACO合意のときにKC-130移駐を受け入れるが、そのときには期限が設けられていたのかどうかや、いつまでに移駐するなどがあったのかどうかという過去の経緯から含めて、いろいろなやり取りをさせていただきました。
記者 確認なのですが、配布資料のKC-130の数について「機数が12機の移駐なら可で、15機なら不可とする知見を得るには至らなかった」という部分は、こうではないということですか。この文面だけなら、まだ機数が増えることについての影響はこれから調べるにしても、12機の移駐なら可で、15機なら駄目ということではないと思っておられるというふうに受け止められるのですが。
市長 一緒だと思います。12機だからよくて、15機だったら駄目ということにはならないということです。
記者 議会のスケジュールは、市長は速やかに判断したいと沖縄県で言っておられたみたいですが、今もそういう気持ちは変わらないかということと、前回、岸外務副大臣が来たときに12月議会中にはまとめるというお話をされていました。視察が終わり、これから県とも協議があると思いますが、12月議会までには市長が方針を示して、それを議会で議論してもらうというスケジュールと思ってよいのでしょうか。
市長 まだ議会とも詰めていませんが、大臣・副大臣が来られて、視察も終えましたので、現状は十分、理解をさせてもらいました。今後、あまり時間をかけるべき課題でないと思っていますので、県と調整させてもらいます。あと県議会の日程もあるでしょうから、市議会にも12月議会が近々にあるので、何らかの考え方をまとめていく必要があると思っております。
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