麻里布中学校の裏手に聳えるのは円錐形の山容が印象的な「平家山」。
幼少期はこの平家山の麓の「室の木町二丁目」で過ごしました。
車は通れないような細い路地と小川や用水路が網目のように絡まる町並みは今も変わらず。
この地を訪れると、泥だらけ水だらけになりながら遊んだ記憶が一気に蘇ります。
そんな遊び場の中でも特大級だったのが、平家山。
当時の平家山は山火事の後で木が生えてなく、巨岩が露出しワイルドな姿でした。
土と岩だけの大三角形を見上げるとつい登ってみたくなるのが室の木男児。近所の友達と半ズボンで挑みます。
登山道は様々あるのですが、そんなことは調べもせずに、道とも言えないようなルートで頂上めがけひたすら一直線に進むという、今思えば驚愕のチャレンジャーぶりでした。
途中点在する巨岩に登ってみては見晴らしを楽しみつつ、山頂を目指したものです。
山頂にも見事な巨岩が鎮座する平家山。
この岩の上が大好きでしたね。
ちなみに、山頂の巨岩について父親に尋ねたことがあります。父親は「あれは平家山の噴火を抑え込んでいる重要な岩なのだ」と言っていました。いや、そんなはずはない(笑)
目の前に広がる岩国の市街地。遥か見渡す瀬戸内の島々。約20分で登れる山とは思えない程の絶景を手に入れることができます。
岩国の平地のほとんどは江戸時代の干拓事業により出来たということですが、こうして見渡すと相当な規模ですね。久しぶりに登った平家山、大人になるとまた違った視点からこの風景を見渡すことができました。
室の木町二丁目と平家山。道路が舗装されていたり宅地が造成されていたり、山には木が生い茂っていたりと、時の流れも少し感じますが、基本的には何も変わってなく、川遊びや山遊びに夢中になっていた子供時代を思い出しながらの散策となりました。
違うのは「筋肉痛の有無」でしょうか(笑)
河村貴之