錦町には、友人が住んでいることもあり、よくバーベキューや川遊びをしたり、蛍を見に行ったりしています。
その友人に、まんがで滝を出したいのだけどいい所知らない?と聞いたところ、連れて行ってくれたのが木谷峡の八幡の滝でした。
岩国には寂地峡という滝の名所がありますし、最初はそちらに行ったのですが、どれも荘厳すぎてこの時のイメージと合うものが見つからずにいました。
この滝を見た時、私の思い描いていたもの通り、というかそれ以上で、こんな立派な滝が岩国にまだあったんだ!と身震いしました。
滝の立派さ、滝壺の深さや何かが潜んでいそうな神秘的な雰囲気、どれも素晴らしかったです。
その後「水域」というまんがの、物話の要の場所として出させてもらいました。この滝は、物語のイメージをより掻き立ててくれる源となってくれました。
吸い込まれそうな美しい深い色の滝壺で、私はすっかり魅入られどうしてもここに入って泳ぎたくなり、次の夏に泳ぎに行きました。
真夏なのにとても冷たい水で、長く入っていられない程でしたが…。その水の冷たさと上がった時の太陽の光の温かさがとても気持ちよかったです。
今回この「私の岩国」のお話を頂いた時、ここはぜひ紹介したいなと思ったのですが、木谷峡周辺では、現在ダム工事が進められているとの事でした。
滝の名前を伝えたところ、そこはダム工事区間でもう入れなくなっており、まだ取材は可能だけれど建設会社の方にご同行頂くということになりました。
ああ、あの滝は無くなってしまうのか…見られるのはこれが最後になるのか…と内心残念な思いで滝へ向かいました。
ですが、滝に着くと、
(あれ…っ?これ、別の滝…??そういや道中も前と違ったので気になってたんですけど…)
となり、建設会社の方に詳しく説明すると、
「ああその滝ならもう少し上流で工事区間外だよ」
との事。
…あああ!お騒がせして申し訳ない!!穴があったら入りたい!
心底お詫びしつつも、あの滝が無くならないことにはホッとしました。
こちらはその時間違えて行った「初瀬の滝」。八幡の滝の名前が分からなかったため画像検索したのですが、一見似ていたため間違えてしまいました…。本当に、取材にご同行頂いた皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
でも、こちらはやがてダムに沈んでしまうのかと思うと、こうして見られたことを感慨深く思います。
そんな経緯もあり、木谷峡は上流の方はダム完成後も変わらず行けるということが分かりました。
渓谷の途中にある香稚神社。ここから八幡の滝まで車でゆっくりで20分くらいでしょうか。
八幡の滝以外にもいくつか滝があり、澄んだ水の流れる気持のいい所です。途中には平家の落人伝説のある屋敷跡なんかもあって、想像をかきたてられます。
行くには中々道幅も狭く、ちょっと分かりにくい所ですが、そういったものに興味のある方にはおすすめです。
紅葉の時期もきれいとの事です。
またいつか、行ってみたいと思っています。
漆原友紀