岩国市は、歴史的・文化的資源に恵まれているとともに、海・山・川等の豊かな自然を有し、都市及び田園、地域の祭りや行事等の人々の暮らしや文化など、地域ごとに多様な景観があります。
また、日常の暮らしの中で当たり前に目にするものや、地元の方だけが知っているとっておきの場所も、岩国市の景観をかたちづくる重要な景観上の要素であります。
このたび、岩国市景観ウォッチャーの皆さんと錦川を巡り、「錦川流域の自然と人の営み」の景観を見つけてきました。普段、目にしている方も、初めて知った方も、久しく目にしていなかった方も、錦川流域に広がる、山間地へ何かの機会に出かけていただき、豊かな景観をお楽しみください。
■撮影日:平成28年6月2日
門前川の河口付近では、多くの鳥が飛来する様子が当たり前に見られる。錦川の流れが干潟の豊かな環境をつくりだすためであり、この鳥たちが錦川の自然の豊かさを教えてくれる。
かつて錦川の流れを整理するために整備された門前川の井堰。その後ろには川下の楠巨木群。子ども達が川の生き物を探すなど、水辺の光景が見られる。
吉川広家公が関ヶ原の戦い後、移封された時、岩国城をこの場所に選地したのか。
(1) もっとも重要視したこととして、考えられるのは、深い山々に囲まれ、大きな錦川が外堀をなし海に近く、要害を
なす。他、干拓もでき経済の発展を見越したと考える。
(2) 結果として、現在、我々は、この自然の恵みを享受している。全国的に誇れる町である。
その昔、清流線の南河内駅付近も近くに田んぼ広がっていた。当時、菜の花を撮りたいカメラマンのモデルとなる集結の地だった。
南河内駅よりも少し上流には、今でも広々とした田園風景が広がり、水をはった田が夕陽にキライラと輝く。
永田新之允氏が瀬戸内海から日本海をつなぐ構想を立てたことから整備されることとなった錦川清流線(旧岩日線)。戦後、この北河内駅に桜が植えられたのを契機に、清流線の各駅にも桜が植えられるようになった。
かつて旅客だけでなく貨物も通っていた清流線。広々としたホーム内にたくさんのレールが置かれ、その名残を垣間見せる。
清流線北河内駅は「行き違い駅」上りと下りを同時に楽しめる駅である。特に「さくら号」Nt300は人気車両!
線路の向こうには美しい山々がそびえる風景。平成22年には岩日線開業から50周年を迎え、市内でも歴史ある鉄道
集落内のトンネルの中で、街ではあまり見ないツバメの巣とヒナを発見。これはイワツバメの巣。海岸や山の岩場などに泥や枯れ草を用いてお椀状の巣を作るのが特徴。トンネル内には、この巣がたくさんあり、まるでツバメのアパートでした。
錦川中流域 国道187号線の美川町南桑付近では、錦川にそって清流線が並行して走る。桧、杉のほとんどが林業の営みとともにある風景。南桑駅は春は桜並木、秋には紅葉が山を彩る。
清流線と錦川、国道187号が整列した美しい風景も。石童山付近より。
美しい風景あります!
錦川の豊かな水の流れ、青々とした山なみ、赤瓦の集落の中にそびえ立つ白い斜張橋が印象的な集落。河原には、長い竿をかかげた釣り人の姿。
無造作に川の近くに置かれた川船たち。今は釣りのためだろうが、かつて物資の輸送のため上流から河口まで多くの川船が行き交った、錦川の歴史を思い出させる風景である。
清流線の”うちがたの駅” ホームには持ち込みチェアーが置いてある。「どうぞ座ってゆっくり待ってくださいな」という思いやりが見える。
清流線の駅前に数台の車が駐車されてる。きっとここから乗車して、どこかの街へ通勤をされる人もあるのかな。
変化に富んだ錦川の流れでラフティングを楽しむ人たちの姿も・・・
錦川の流域のあちこちで、それぞれの場所での川の中の環境と鮎の動きを知っている釣り人たちが鮎を釣る様子も見られる。
鉱山で栄えた集落。かつて貨物ヤードのあった分岐駅の名残として、駅構内には鉄道遺構も。今では猫の休憩所のようだ。
集落内では、人々の営みや集落の文化を感じさせる小さな資源もたくさん見つけることができる。
祭りの時、お寿司に使ったであろう芭蕉の木の存在がかつてここでの暮らしの名残を感じさせている。
錦川の流域のあちこちで、それぞれの場所での川の中の環境と鮎の動きを知っている釣り人たちが鮎を釣る様子も見られる。
清流線の上流域で、ここだけしか見られない踏切! まちなかでは気にならないものがここでは面白い。
集落の細い路地では、川を眺めながら涼のとれる特等席、ちょっとした畑、暮らしを彩る花々、沢沿いの手すりなど、斜面地に暮らす人々の日常の中のほっとする生活の匂いが感じられた。
錦川に面して山すそに広がる集落
集落内では、人々の営みや集落の文化を感じさせる小さな資源もたくさん見つけることができる
清流錦川の川底に生えている苔を食べる鮎。きれいな苔だからこその美味しい鮎。
川沿いを走る清流線に乗ると、蛇行を繰りかえす錦川の様子を目にすることができる。下流に行くにつれ、蛇行
部の河原の広がりも大きくなる。錦川第二発電所付近では、洪水に対する先人の知恵と工夫の証である「沈水橋」
が、今も現役で使われている。
コバルトブルーの清流。瀬と淵で深さで色が変わり、1本の川の流れの中にグラデーションの美しさがある。
錦川の風景は変化に富んでいる。下流域では、広い川幅で大きく蛇行しながらゆったりと流れる。上流にあがる
につれて、ごつごつした岩盤の中を狭い川幅で勢いよく流れる。ひとつとして同じ景観はない。
初夏には蛍が舞う府谷の田園。水がはられ田植えがされた水田と丁寧に維持されている畦道、納谷には農機
具。山間の田園での人々の営みがつくりだす美しい風景がある。
アザミ等の野花、蜜を吸うハチ、水の中にはたくさんのおたまじゃくし。農村の暮らしは、多様な生き物とともにあ
る。
大きな木々からなる鎮守の森。近づくと荘厳な雰囲気を醸し出す緑のトンネルの中に長い長い階段。ここには集
落を見守ってくれている神様がいるんだろう。
本郷は歴史あるシンボリックな建物が今もちゃんと使われている、すごい町。映画のロケ地に最適だと思う。
通りの軒下には豊かな水が流れ、裏には川へ下りる階段がある。この町には錦川の支流である本郷川等の自然
を暮らしに活かした、人々の営みが風景である。
排水マンホールの「蓋」に残る「旧本郷村」
建物の窓のデザイン、瓦のしゃちほこ、土地の形に合わせて緩やかにカーブする白壁の塀など、この町の人々
の粋さ、お洒落さ、職人さんの技術の高さに、感動を覚えます。
山間地の集落には、沢や川等、水の流れる風景がある。斜面の上の方では小さな沢がちょろちょろと路地の中をくだり、川に近づくにつれ水量も増え、川へと流れ込む。
普段、静かな沢や川も、雨の後は、ごぉごぉと音を響かせる風景となる。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)